痩せたい40・50代は必見!管理栄養士が教える〈朝に飲むべきもの〉〈朝、避けるべき飲み物〉とは?

中年層が痩せられないワケ

中年層といわれる40代、50代が痩せられないのは、体に次の変化が現れるためです。

・基礎代謝の低下

・運動量の減少

・ホルモンバランスの変化

痩せる、つまり体重が減るのは、摂取するエネルギーよりも消費するエネルギーが多くなったときです。

呼吸や心臓の拍動など、生命維持のために最低限必要なエネルギーのことを基礎代謝といいます。運動していないときでも消費されるエネルギーであるため、基礎代謝が高いほど痩せやすくなるでしょう。 

一般的に、基礎代謝は加齢とともに低下します。その原因のひとつが筋肉量の減少です。筋肉ではエネルギーを消費して熱を発生させて、体温を維持しています。このときに消費されるエネルギーが基礎代謝なのです。そのため加齢に伴い筋肉量が減ると、基礎代謝は減少してしまいます。

昔よりも運動量が減った方が多いのではないでしょうか?運動量が減ると消費エネルギーが少なくなるとともに、筋肉が衰えて基礎代謝の低下にもつながります。

中年期になると起こるホルモンバランスの変化も見過ごせません。 

女性ホルモンのエストロゲンには、食欲を抑えて肥満を防ぐ作用があります。しかし女性は閉経前後になるとエストロゲンの分泌が減少するため、太りやすくなるでしょう。

男性もテストステロンという男性ホルモンが減少し、更年期障害のような症状が現れることがあります。テストステロンが減少すると、内臓脂肪が増えやすくなることがわかっています。

40代、50代が朝に飲むべきもの

痩せたい中年層の方が朝に飲むべきものは、次のとおりです。

・白湯

・牛乳

・豆乳

 

体温の上昇は基礎代謝を高めます。しかし睡眠中は体温が低下します。目覚めに向けて体温は上がるものの、起床後はまだ低い状態です。

そこで白湯(さゆ)を飲みましょう。白湯とは、一度沸かした水を50℃前後まで冷ましたもの。白湯を飲むと体が内臓から温まり、体温の上昇がサポートされるため、基礎代謝が上がりやすくなります。

牛乳や豆乳にはたんぱく質が豊富に含まれるため、筋肉量の減少を防げます。さらに、豆乳は大豆イソフラボンを含むこともポイントです。大豆イソフラボンは体内で女性ホルモンに似た働きをするため、減少した女性ホルモンの作用を補ってくれるでしょう。

ダイエットにしっかり取り組みたい方は、脂質の摂取を抑えるために低脂肪乳の利用も検討しましょう。豆乳は糖質の摂り過ぎに注意してください。甘みのあるフレーバー付きのものは避けて、プレーンな味の豆乳を選びましょう。

また牛乳や豆乳も、冷蔵庫から出したばかりの冷たい状態ではなく、軽く温めてから飲むことをおすすめします。

肥満をまねく、避けるべき飲み物とは?

反対に、次の飲み物の摂取は避けましょう。

・野菜ジュース

・フルーツジュース

・飲むヨーグルト

野菜ジュースやフルーツジュースは、ビタミンやミネラルを摂取できて健康的なように思えます。しかし糖質が多いため、血糖値を上げやすいことがデメリットです。

とくに、起床直後の空っぽの胃腸に糖質が多い飲み物が流れ込むと、血糖値が急上昇します。血糖値を下げるホルモンは、糖質を体脂肪に変える性質があるため太りやすくなるでしょう。

乳製品は健康によいからと、飲むヨーグルトを選んでいませんか?たしかにたんぱく質を摂取できることはメリットですが、糖質が多い点が気になります。通常のヨーグルトとは異なり、液体なので体に一気に吸収されて、血糖値がより上がりやすいことにも注意しましょう。 

歳を重ねると痩せにくくなるのは避けられないこと。しかし生活のなかでちょっとした工夫を積み重ねると、体は変わってくるでしょう。まずは朝一番に飲むものを変えて、痩せやすい体を作りませんか?

【参考文献】

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

厚生労働省 e-ヘルスネット「ダイエット」

厚生労働省 e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」

梁一強、金承範、秋下雅弘、阿古潤哉、飯島勝矢、大池裕美子、渡辺徳光、吉栖正雄、大内尉義「エストロゲンの肥満抑制作用について」

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。

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