【生姜の効能】「加熱」と「生」どちらがおすすめ?使い分けの秘訣は?管理栄養士が比較して解説!

生と加熱の栄養素の違いとは

生の生姜に含まれるジンゲロールは、口にした時にピリッと感じる辛み成分であり、皮の近くに豊富です。他にもパラドールやショウガオールという成分が含まれています。ジンゲロールは、手や足などの末端を温める作用があるとともに、胃腸の働きのサポートや殺菌効果が期待できます。

一方で、加熱することで、ジンゲロールの一部がショウガオールに変化します。これは、じわっとくる辛み成分であり、他にもジンゲロールのごく一部が変化したジンゲロンやジンゲロールも含まれています。ショウガオールは、体を深部から温めてくれ、アドレナリンの分泌を促進することで、体脂肪を燃えやすい状態にして、脂肪の消費も期待できます。

生と加熱の使い分けは?

ジンゲロールは末端を温めるため、逆に深部を冷やし解熱作用と殺菌効果が期待できます。そのため、風邪のひき始めや悪寒がした時、完全に熱が上がりきった時などには生の生姜がおすすです。冷えを改善したい場合には避けましょう。

一方で、冷え症の人には、体の深部から温めてくれる加熱した生姜がおすすめです。「冷えは万病のもと」というように、冷えにより体の不調が引き起こされるリスクが高まるため、体に冷えを感じている人は、一度取り入れてみるのもよいでしょう。そして、これは加熱だけでなく、乾燥させたものでも同じ効果が期待できます。

おすすめの加熱の方法は4つ

オーブンで低温焼き

生姜は糖分が豊富なため、高温で焼くと焦げやすいです。そのため、オーブンの機種にもよりますが、薄くスライスしたものを100〜110℃の低温で約1時間焼くのがおすすめです。水分がしっかりと飛んだのを確認できるとよいでしょう。

80℃加熱

ジンゲロールからショウガオールに変化するための温度の目安が80℃です。そして、80℃で1時間の加熱で10〜15%、3〜4時間の加熱で40〜50%のショウガオールが増えるといわれています。そのため、保温機能のある水筒に熱湯と生姜を入れて、約3時間放置しておく方法がおすすめです。

天日干し

薄くスライスした生姜が重ならないように、日当たりがよく、風通しのよい場所で天日干しするのもおすすめです。晴れた日であれば、2〜3日で水分も飛んでパリパリした状態になるでしょう。ただし、湿気の多い季節では、水分が飛ぶよりも先にカビてしまうリスクが高まるため、注意が必要です。乾燥させたものは冷めてもジンゲロールに戻ってしまうことがないため、長期保存にもよいでしょう。

揚げ焼き

170℃以上になってしまうと、ショウガオールが別の成分に変化して活性がなくなるともいわれています。しかし、カリカリになるまで加熱した方が、ショウガオールは増えるため、少量の油で、焦げないように時間をかけて水分を飛ばしてあげるのをおすすめします。

食べ過ぎには注意が必要!

生姜は刺激の強い食材のひとつでもあります。1日の摂取の目安としては、10gといわれています。スライスしたものであれば約6枚、すりおろしたものであれば小さじ1杯です。食べ過ぎには注意しましょう。

生姜を上手に使い分けて巡る体をゲットしよう

生姜は健康効果の期待できる食材のひとつですが、使い方を間違えてしまうと、逆に不調の引き金になってしまう可能性もあります。そのため、得たい効果を明確にした上で、生と加熱のどちらの取り入れ方が自分にあっているのかを見極め、取り入れてみてくださいね。

ライター/管理栄養士 亀崎智子

管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528

NS Labo(栄養サポート研究所)

全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事業を行っている。また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢献活動を行っている。

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