【更年期世代のおとな咳…原因は粘膜の潤い低下?!】咳をラクにする対策と「ツボ押しケア」

更年期以降、粘膜の潤い低下で咳が出やすくなることも

先日このようなご相談をいただきました。

「風邪をひいたわけでもないのに、このごろよく咳が出ます。 更年期で体質が変わることもあるんでしょうか?」(53歳・女性)

40代、50代になってから、むせやすくなったり、また少しの刺激で咳こんでしまうという人は多いと思います。実は、更年期以降、女性ホルモンが低下してくると、粘膜の潤いも低下していきます。すると、知覚過敏になり、少しの刺激でむせてしまったり、せき込んでしまうことがあります。また、空気が乾燥している季節や、暖房、クーラーでの乾燥からも咳がでることも。咳が続くと、夜も眠れなくなり、睡眠不足になってしまうこともありますので、今回は、つらい咳を楽にするケア方法を紹介します。

咳は体の防御反応

そもそも、なぜ「咳」は出るのでしょうか。咳は、体の防御反応によって起こります。例えばウイルスや、乾燥、ほこり、花粉などで気道の粘膜に異常を感じると、脳の咳中枢が刺激されます。すると、「咳をしてください」という指令が、私たちの横隔膜や肋間筋(肋骨の間の筋肉)など、呼吸に関わる筋肉に伝わって、コンコンと咳が出てしまうのです。咳は、体にとても大きな負担をかけます。咳が続く、咳をしすぎることで、肺や喉、気管などに炎症が起こることもあります。また、咳は筋肉にも大きな負担をかけるため、ひどく続く場合は肋骨の疲労骨折を起こしてしまうこともあります。そこで今回は、咳を楽にするツボ押しケアを紹介します。呼吸に関連するツボはたくさんありますが、今回は上半身にあり、押しやすい2つのツボをお伝えします。

咳を楽にするツボ①鎖骨下にある「中府」

肺や喉、気管に関係するツボは、手にある「太陰肺経(たいいんはいけい)」という経絡(けいらく)上に並んでいます。太陰肺経にあるツボを押すことで、呼吸の機能を高めて咳を治める効果が期待できます。

今回紹介するツボ、1つ目は「中府(ちゅうふ)」です。場所は、鎖骨の肩側の下にあるくぼみを探し、そこから指1本分、下に下がったところにあります。ツボと反対側の手の人差し指と中指を合わせてツボに当て、深呼吸しながらグーッと気持ちよい程度の圧で押します。

肺が弱っていたり、気管が荒れていたりすると、中府のツボを押すと痛みを感じたり、張りを感じたりするかもしれません。そこが緩むのを目安に、5〜10回くらい押すようにしましょう。反対側の中府も同じように押します。

咳を楽にするツボ②ひじの外側にある「尺沢」

続いて2つ目は「尺沢(しゃくたく)」というツボです。尺沢も、肺の気の流れをよくするツボで、昔から咳に効果があるとされています。場所は、ひじを曲げてできる、ひじの内側のしわの端から親指側(外側)に指2本分いったところにあります。

ツボの反対側の手の中指をツボに当てて、グーッと5秒ほど押します。5秒押して離す、5秒押して離すを10回ほど繰り返します。ひじを曲げ伸ばししながら押すのもおすすめです。反対側の腕の尺沢も同じように押します。咳が出ていたり、気管が弱ったりしていると、触るだけでも張りがわかり、抑えると少し痛みが出るかもしれません。少し気持ちいいなと思うくらいの圧で押してみてください。

腕の親指側を骨にそってもみほぐすのもおすすめ

紹介した2つのツボ以外にも、腕の親指側を走る太陰肺経には、肺の気の流れをよくするツボが密集しています。腕全体を、親指側にある骨に沿ってもみほぐしてあげるだけでも呼吸がしやすくなるので、ぜひ試してみてください。ツボをピンポイントで抑えるのが難しい時におすすめです。

咳が長引くときは医療機関の受診も検討して

咳の原因が風邪などの場合は、一過性のものですみます。しかし、原因がわからず咳が長引くのを放置しておくのはよくありません。咳が続くことで、喉、気管、ひいては肺にも炎症が起こりやすくなります。咳が続く場合は、一度、内科や呼吸器科などを受診し、治療を受けることをおすすめします。

永田京子

NPO法人 ちぇぶら代表理事、更年期トータルケアインストラクター1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ3万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。著書「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」、「はじめまして更年期♡(青春出版社)」。

2024-04-17T11:28:04Z dg43tfdfdgfd