夜遅くに食べると太る!?太りにくい「夜食」のポイントを管理栄養士が解説

夜遅くに食べると太るワケ

夜遅くに食べると太ると言われる理由は主に3つ挙げられます。

夜は活動エネルギー、消費エネルギーともに低くなるから

日中に比べ、夜は家でゆったりと過ごしたり、食事後は入浴や就寝したりと活動量が少なく消費エネルギーが低くなりがちです。消費されないエネルギーは脂肪として体に貯蔵されるため、太る原因と考えられます。

食事誘発性熱産生(DIT)が低くなるから

食事誘発性熱産生(DIT)とは、食事後に胃や腸で消化・吸収する際に消費されるエネルギーのことです。食事後に体が温かくなるのはDITによるものです。DITは時間帯によって消費されるエネルギー量が変動します。朝が最も高く、夕方には減少し、夜には最も低くなります。そのため朝と同じ内容の食事を夜に摂っても、DITが低いため太りやすくなると考えられます。

BMAL-1(ビーマルワン)が脂肪を貯めこむから

体内時計の調整を司っている遺伝子群の1つであるたんぱく質BMAL-1。BMAL-1は脂肪合成を促進するため、BMAL-1が増加する時間に食事をすると太りやすいと考えられています。午後10時から午前2時頃が最も多くなるため、この時間帯の食事は太りやすくなります。一方、減少し始める時間は午前6時頃で午後2時頃に最も低くなるため、規則正しい食事は理にかなっていると言えますね!

夜遅くの食事は太りやすいだけでなく、睡眠中も消化器官が働くことで眠りが浅くなり睡眠の質にも影響します。不規則な生活リズムはインスリンの分泌にも影響し、生活習慣病の原因にもなります。朝昼夕の規則正しい食事を心がけたいですね。しかし、仕事や用事で夜遅い時間の食事を避けられないこともありますよね。そのような時は出来る限り消化器官に負担をかけない食事を摂ると良いですよ。

夜遅い時間の食事、3つのポイント

1、エネルギー、脂質が低く良質なたんぱく質が摂れる食事 

2、油をなるべく使用しない 

3、20分以上を目安によく噛んで食べる

脂質はエネルギー量が多く得られる一方で消化に時間がかかる栄養素です。そのため消化器官に負荷がかかりやすいので、夜遅い時間や寝る前の摂取は避けましょう。またよく噛んで食べることで消化酵素が働きやすくなる上、満腹中枢が刺激され食べすぎ防止につながります。おすすめの食材は、豆腐、卵、白身魚、食物繊維の少ない野菜、消化しやすいうどんやおかゆ・おじや。具体的におすすめな食事としては、刺身や冷奴、鶏肉や卵・野菜を入れたうどんやおじや、おでん、蒸した肉魚・野菜、具沢山の味噌汁が挙げられます。冷凍野菜やカット野菜、サラダチキンなどを活用してうどんやおじやを作ると手軽に自炊ができます。白身魚をレンジで調理しお好みのたれをかけて食べるのも良いですね。冷たい食事よりも温かい食事の方が消化を助けるため、刺身や冷奴のようなおかずには汁物をつけるのがおすすめです。遅くても就寝1時間前には食事が終わるように心がけましょう。

【参考文献】

高橋書店:あたらしい栄養学

ライター/まつおかあいこ

管理栄養士として保育園、病院での大量調理や栄養士業務を経験。調理経験の中で身に着けた知識をもとに、身近な食材についての記事の執筆を行っている。

NS Labo(栄養サポート研究所)

全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事業を行っている。また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢献活動を行っている。

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