〈ビタミンB1〉が不足すると体はどうなる?ビタミンB1が不足しやすい人とは?管理栄養士が解説

ビタミンB1とは

ビタミンB1は水に溶ける水溶性ビタミンのひとつで、別名「チアミン」ともいわれています。ビタミンB1は、体の中で糖質をエネルギーに変える手助けをしてくれます。

特に脳は糖質である「ブドウ糖」をエネルギー源としているため、体の機能を維持するためにも重要な栄養素です。

ビタミンB1が不足するとどうなる?

ビタミンB1が不足すると糖質から十分なエネルギーをつくることができず、食欲不振や疲労、だるさなどの症状が出てしまいます。

さらに重症になると、脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群などの病気になる可能性もあり、注意が必要です。

脚気

かつて日本で大流行した病気で、全身の倦怠感や食欲不振、手足のしびれ、足のむくみなどが起こります。さらに重症になると心不全を起こして死に至ってしまう場合もあります。

ウェルニッケ・コルサコフ症候群

中枢神経が侵され、意識障害、眼球が細かく震える、歩行時のふらつき、もの忘れなどがおこります。原因としてはアルコール依存症が半分を占めます。

ビタミンB1不足になりやすい人は?

ビタミンB1が不足しやすい人はどのような人でしょうか?特に注意が必要な方を解説いたします。

【ビタミンB1が不足しやすい人】

●糖質の多いインスタント食品などをよく利用している

●糖質(ごはん、パン、麺、お菓子類など)に偏った食事をしている

●日常的に運動をしている

●お酒をたくさん飲む

このような方は、糖質をエネルギーに変えるサイクルが活発なため、より多くのビタミンB1が必要となります。

特に最近では、冷凍食品やカップ麺などで食事を済ませてしまうという方も多いです。チャーハンやラーメン、菓子パンなど主食ものの食品ばかり食べている場合はビタミンB1不足にならないよう気を付けましょう。

ビタミンB1が多い食べ物と効率よくとるポイント

ビタミンB1は、肉類、魚類、豆類、穀類、種実類などいろいろな食材からとることができ、特に玄米や豚肉、ごま、大豆などに多く含まれています。そのため、いろいろな食材をバランスよく食べることが大切です。

調理の際に注意していただきたいのが、ビタミンB1は水に溶ける性質があるということです。ゆでて加熱するよりも電子レンジを使用する、スープなどのように煮汁ごと食べるなど調理方法を工夫するのもおすすめです。

また、ビタミンB1はニンニクやタマネギなどに含まれる「アリシン」と結合することで吸収率がアップします。

まとめ

糖質をエネルギーに変えるサポートをしてくれるビタミンB1は、不足によって疲労やだるさなどの症状が出てしまいます。バランスのよい食事をベースに、糖質の多い食事やお酒を飲み過ぎた際にはビタミンB1を意識してとるのがおすすめです。

【参考資料】

健康長寿ネット:ビタミンB1の働きと1日の摂取量

厚生労働省 e-ヘルスネット : ウェルニッケ・コルサコフ症候群

津端奈緒美

管理栄養士/ライター。大学卒業後、病院の管理栄養士として栄養指導などに従事しながら社会人学生として修士課程を修了し、現在は博士課程を履修中。ライターとして栄養や健康に関する分野で科学的根拠に基づいた記事やコラムを執筆している。

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