「メイクアップアーティストに転身したばかりの時、まだこの業界での経験がなかったのでほぼ1年間無償で働いていました。そんなある日、雑誌の撮影で仕事をした2人のフォトグラファーと再会した時に転機が訪れたのです。2人は私が以前勤めていた出版社からの顔馴染みで、前職の私の仕事ぶりを知っていたため、正式な(有償の)メイクアップアーティストとして仕事をしたいと申し出てくれたのです。それから、世界が開けたという感じです」
と、かつて「ALLURE」誌にキャリアの初期のことをこう語ったのは、メイクアップアーティストのダネッサ・ミリックスだ。そんな彼女が出版社から独立後メイクアップアーティストとして立ち上げた「danessa myrick beauty」が、業界関係者を中心にデビュー以来世界中で高い評価を得ている。自身のブランドを立ち上げる前から数多くのブランドの開発にも携わってきたという彼女は、中でも「Benefit Cosmetics」の製品イノベーション・ディレクター時代にリリースしたコレクションが大ヒットしたことで一躍世界のトップメイクアップアーティストとして注目を集めた。
「2016年に手がけた『アイブロウ コレクション』がヒットした時は、本当に嬉しかった。ですが、他ブランドに関わっている以上全て自分の思い通りにはなりません。そして、自分ができることには限界があると悟った時、自分のブランドを立ち上げたのです」
それでは、自身のブランドを立ち上げたきっかけをこう語った彼女の”やりたいこと”が全て詰まった「danessa myrick beauty」のユニークな人気アイテムを早速チェックしてみよう。
スルスルと伸びる軽やかなテクスチャーで、あらゆるタイプの肌をしっかりカバーしてくれるバームパウダー。指またはブラシで肌にのせた瞬間から肌に溶け込むように馴染んで、気になる部分に密着。テカリが気になる部分に重ね塗りしても厚ぼったくならないナチュラルな仕上がりが秀逸だ。
リップに重ねればエナメルのような光沢が生まれ、目元にのせればハイライトに、またチークとしてツヤ出しにも応用できるのがこのカラーフィックス。1本でアイシャドウ、アイライナー&ブロウ、リップ、チーク、トッパー、そしてグロスと7通りに活躍してくれるマルチユースのアイテムは、なかなかのレアもの。ロングラスティング効果で崩れにくく、そのままでもブレンドしても多彩に表現できる新発想のアイテムだ。
560 本のしなやかな細毛のブラシがさまざまなライン表現を可能にするアイライナー。筆圧を強めれば太ラインに、弱めて繊細なラインに、さらに極細先を使えば目のきわのデリケートなパーツのラインにも。一発で思い通りのラインがさっと描けるから、1本は持っておきたい。
横山正美
ビューティエディター/ライター/翻訳。「流行通信」の美容編集を経てフリーに。外資系化粧品会社の翻訳を手がける傍ら、「VOGUE JAPAN」等でビューティー記事や海外セレブリティの社会問題への取り組みに関するインタビュー記事等を執筆中。
2025-05-02T20:44:28Z