肩のだるさ、腕の可動域の変化が出てきた人は、背中のシルエットが丸く大きくなっていませんか?背中は丸まり肩が内に巻いた状態で長年過ごしていると、肩甲骨は外に開いた状態で硬くなってしまいます。
肩甲骨の動きが悪くなると、肩まわりの血行はどんどん悪くなり腕の可動域もみるみる落ちてしまいます。試しに、あえて背中を丸めて腕を持ち上げてみてください。真上まで腕を無理矢理上げようとすると、そもそも上がらない、肩が痛い、そんな状態になるはずです。重くて辛い肩をスッと楽にして腕の可動域を上げるには、まずは硬くなった部分をほぐす必要があります。
首から背中にかけて、僧帽筋という大きな筋肉がついています。僧帽筋は場所によって働きが異なり、肩甲骨の間の部分の僧帽筋中部は肩甲骨を内側に寄せる働きをします。僧帽筋中部の深層には菱形筋という筋肉もあり、僧帽筋の働きをサポートして「気をつけ」をするときの姿勢筋としての役目を果たしています。
背中が丸まっている人は、これらの筋肉が伸びたまま硬くなっているため、ここをほぐす必要があります。
骨と骨を繋ぐ筋肉は骨のキワをほぐすことで全体がほぐれやすくなり動きも良くなるため、今回は肩甲骨の内へりをほぐします。
怠けて硬くなっていた部分がほぐれることで、血行が良くなり肩がとっても楽になりますよ。また、外的な刺激を入れることで脳がその部分を認識しやすくなり、使うのが上手になります。怠けていた時間が長いといざ使おうと思っても思うように体は動いてくれませんが、ほぐすだけでも使うための下準備ができるので肩甲骨を寄せる動きをしやすくなるのです。肩甲骨を寄せる動きに伴い姿勢も良くなるため、ほぐしと姿勢の両方の効果により腕も上がりやすくなるはずです。
肩甲骨の内へりのほぐし方をご紹介します。
肩甲骨の内へりにはテニスボール程度のサイズがちょうど良いのですが、60代の背中にはテニスボールは硬すぎる可能性があります。そこで、どこの家庭にもあるタオルの出番です。細長いファイスタオルやスポーツタオルをひと結びして、結び目をボールに見立てることで、どなたでも安全にほぐせる硬さ・サイズに早変わりします。
〈やり方〉
1)細長いタオルの中央で結び目をつくる。
2)タオルをかつぐ形で左の首と肩の境目から2~3センチおりた部分に結び目をあてて仰向けになり、結び目が肩甲骨のキワに当たるよう微調整する。右手を頭の下に敷き、両膝を立てて縦方向に体を揺らす。圧が問題なければ、お尻を軽く浮かせながら揺らしても良い。
3)背中側のタオルを少し下に引っ張り、結び目の位置を結び目1個分下にずらして同様に体を揺らす。
4)同じ要領で3~4回結び目の位置をずらし、肩甲骨の内へりの上から下までほぐす。
5)反対側も同様に行う。
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高山ゆかり
ヨガインストラクター。【姿勢と自律神経を整え健やかに】 をコンセプトに活動。長年の運動不足により体調を崩したことをきっかけにヨガを始める。ヨガに筋膜リリース、ピラティスを取り入れることで硬かった体がほぐれ、インストラクターの資格取得に至る。福岡市内のスタジオ、自宅にてヨガレッスンを行う。RYT200/チェアヨガ/ピラティスインストラクター/アロマテラピー検定1級。プライベートでは2児の母。
2025-03-11T11:07:55Z