食後にすぐお腹が空いてしまったり、気づけば食べ過ぎていた…そんなこと、思い当たる方も多いのではないでしょうか。実は、血糖値が急激に上がるほど、体は脂肪をため込みやすくなる仕組みになっています。
味噌汁や副菜から食べ始め、次に主菜のメインのおかず、最後にごはんなどの主食という順番で食べることが、血糖値の急上昇を抑え、太りにくい食べ方になります。
よく噛むことは満腹感を得るために欠かせません。噛みごたえのある具材を選ぶことにより、食べ過ぎ防止につながります。
一口30回が理想ですが、もし回数を意識するのが難しいときは、「ゆっくり丁寧に、一生懸命噛むことに集中する」ことを心がけるだけでも、食べ過ぎ防止につながります。
きのこ類は低エネルギーで、食物繊維も含まれます。免疫力を高める、便通が良くなりやすいといった嬉しい効果も。
海藻類は低エネルギーで食物繊維が豊富。乾燥タイプは保存性が高く、手軽に使えます。戻しすぎたり、加熱しすぎたりしないことで、食感を残すことができます。糸寒天は、水で戻さず手軽に使えるのでおすすめです。火をかけると溶けてしまうので、味噌を入れる直前に加えてくださいね。
100gあたり5kcalと低エネルギーで、噛み応えのある食材。こんにゃくに含まれるグルコマンナンは、お腹の中で膨らむため、満腹感が得られます。
噛み応えがあって食べすぎを防ぐほか、たんぱく質源となり筋肉量を維持し、基礎代謝が下がるのを防ぐ効果も。細切りタイプの高野豆腐は、水で戻さずに使えるため、手軽に作れます。
色の薄い野菜が多い食事には緑黄色野菜を、噛み応えがない食事には根菜類をプラスするなど、その日の食事に足りていない野菜を補うのがおすすめ。特に切り干し大根は、不足しがちなカルシウムや鉄分を含むため、積極的に取り入れたい食材です。
【作り方】
・大根、人参は5㎜幅のいちょう切りにする。ねぎは小口切りにする。
・こんにゃくはスプーンでひと口大に切り、下茹でしアクを抜く。
・油揚げは油抜きした後、短冊切りにする。
・鍋に水、大根、人参、こんにゃく、だしパックを入れて火にかけ、沸騰したらアクをとり、中火で10分ほど煮る。
・だしパックは表示の時間通りに取り出し、油揚げとしめじを加える。
・10分煮たら、火を止め味噌を溶き入れる。
・器に盛り付け、お好みでねぎを散らす。
食べ過ぎを防ぐ食べ方や、味噌汁のおすすめ具材についてご紹介しましたが、肥満予防には、規則正しい生活と、1日3食をきちんと食べることが基本となります。今回ご紹介したレシピのように、具材をたっぷりと入れて汁を控えめにし、1日1〜2杯までにとどめると、塩分の摂りすぎを防ぎ、高血圧予防にもつながります。高血圧や腎臓の疾患をお持ちの方は、医師に相談すると安心です。あわただしい毎日ですが、味噌汁をゆっくりと味わう習慣をつけることで、ほっと一息つけて、心も体も満たされる時間を持つことができます。そんなひとときを日々の暮らしにそっと加えてみませんか。 <参考文献>
・肥満症診療ガイドライン2022
・食後血糖と栄養素摂取の順番
・農畜産業振興機構 奥深いキノコ類の世界
・噛(か)むことの大切さを見直そう ~野菜の効用と食べるタイミング~
・よくわかる栄養学(著者:小林実夏)
川口めぐみ
栄養士免許を取得後、保育園に就職。その後、病院にて実務経験を積みながら管理栄養士免許を取得し、給食管理や栄養管理業務を経験。2024年7月より特定保健指導業務にも従事。出産をきっかけに子どもの心と体を育むうえで、離乳食や幼児食の大切さを実感し、専門資格を取得。「子どもたちが食に興味を持ち、からだにより良いものを選ぶ力を育んで欲しい」という思いから、現在は地域の料理教室のお手伝いをしながら、子ども向けオンラインレッスンを提供する企業と契約し、食育講師として活動している。
2025-10-01T09:09:02Z