父の入院中は、母と近居の妹たちに面会をお願いする一方で、遠距離でもできることをと、わたしが取りかかったのがケアマネジャーの選定です。認定結果で、「要介護1」が下り、行政から、居宅介護支援事業所(以下、事業所)のリストを渡されていました。これがまたエクセルで4枚程度のもの。近隣の5つくらいの自治体にある事業所の住所や電話番号が無機的に並んでいるだけです。ウェブサイトなどを見てもどれも同じようで、判断のしようもありませんでした。
ちょうどテレビ番組や雑誌では「ケアマネジャーの不足」が叫ばれていました。介護保険の見直しの年に当たり、事業所の単価が下げられてしまい、事業自体が立ちいかなくなり、廃業される事業所も多いことも盛んに報道されていました。評判のよい事業所は利用者さんを多数抱えて、新規利用を受け入れるのは難しいであろうことが予想されました。
それで、セラピューティックエナジーキネシオロジーのプラクティショナーであるわたしが使ったのは、筋反射のテクニック。左の親指と人差し指でリングを作り、力を入れ、右の人差し指と中指で作ったハサミで切れるか試す、いわゆるOリングです。リングが切れない、つまり指に力が入る事業所が「自分と合っている」というわけです。眉唾と思われる向きも多いと思うのですが、リストのすべての事業所に対して試したところ、リングが切れなかったのは2つだけ。どちらも実家のある自治体ではありませんでしたが、近いほうの自治体にある事業所のウェブサイトをチェックしたうえで、電話をしてみることにしました。ここまで20分程度です。
携帯に転送されたので、留守電に入れると、すぐ折り返しが。事業所の代表の男性でした。自分は京都に住んでいるが、実家の父が隣接する自治体に住んでおり、認知症と診断されたこと。「要介護1」の認定が下りたばかりで、ケアマネジャーを探していること。ウェブサイトを見たことなどを伝え、「かなり利用者さんを抱えておられるようなので、難しいかもしれないのですが……」とお尋ねしてみました。
代表の男性は、隣の自治体だったこともあり、「どうして、うちにかけてくださったのですか?」とやや不思議そうにはされていましたが、ここでミラクルが起こりました。「おっしゃる通り、うちもいっぱいで、昨日の午後はおひとりお断りしたのですが、実は、今朝、おひとりの利用者さんが要介護から要支援に変わって、地域包括支援センターに移られることになったので、お受けできます」とのこと! 何ともホッとした瞬間でした。
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文/Saya
東京生まれ。1994年、早稲田大学卒業後、編集プロダクションや出版社勤務を経て、30代初めに独立。2008年、20代で出会った占星術を活かし、『エル・デジタル』で星占いの連載をスタート。現在は、京都を拠点に執筆と畑、お茶ときものの日々。セラピューティックエナジーキネシオロジー、蘭のフラワーエッセンスのプラクティショナーとしても活動中。著書に『わたしの風に乗る目覚めのレッスン〜風の時代のレジリエンス』(説話社)他。
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写真/野口さとこ
北海道小樽市生まれ。大学在学中にフジフォトサロン新人賞部門賞を受賞し、個展・グループ展をはじめ、出版、広告撮影などに携わる。ライフワークのひとつである“日本文化・土着における色彩” をテーマとした「地蔵が見た夢」の発表と出版を機に、アートフォトして注目され、ART KYOTOやTOKYO PHOTOなどアートフェアでも公開される。活動拠点である京都を中心にキラク写真教室を主宰。京都芸術大学非常勤講師。
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Saya
アストロロジー・ライター。東京出身、京都在住。早稲田大学卒業後、ライフスタイルの編集者を経て、アストロロジー・ライターに。「エル・デジタル」、「LEEweb」の星占いも好評。現在は、京都で夫と二人で暮らし、星を読み、畑を耕す傍ら、茶道のお稽古と着物遊びにいそしむ日々。新刊、『占星術ブックガイド〜星の道の歩き方、アストロロジャーとの対話集〜』(5500円/説話社)が好評発売中。
2025-09-30T07:24:04Z