なすの皮の色でもある青紫色は、アントシアニンの一種であるナスニンという色素成分です。アントシアニンはポリフェノールであるため、高い抗酸化作用を持っています。そのため、なすは、しみやしわなど老化の原因にもある紫外線からの活性酸素のダメージを抑えてくれるサポートが期待できます。
ビタミンCは別名「美肌のビタミン」と呼ばれることもありますが、なすは豊富に含まれているわけではありません。なす自体に含まれるビタミンCは少ないのですが、ピーマンやパプリカ、ブロッコリーなどのビタミンCを豊富に含む食材と一緒に食べることで、ビタミンCの作用の相乗効果が期待できます。ビタミンCは、肌の滑らかさに欠かせないコラーゲンの合成や紫外線により傷ついた肌の修復をサポートしてくれるでしょう。
なすは90%以上が水分であるくらいみずみずしい野菜でもあり、カリウムや銅、マグネシウムなどのミネラルもしっかりと含んでおり、皮膚を潤すという意味の水分補給にもピッタリです。そして腸内環境を整えるために欠かすことができない食物繊維が豊富に含まれています。皮膚は排泄器官のひとつでもあり、腸内環境を整えることは、肌のバリア機能を高めることにもつながるため、内側から紫外線からのストレスを抑えることが期待できます。
なすは水分含有量が多い食材でもあるため、鮮度が落ちるのが早めでもあります。そのため、美味しくて新鮮ななすを手にいれる時に、注目したいのが、いくつかあります。皮の表面が滑らかでツヤとハリがあり、青紫色が濃いものが新鮮なサインです。また、ヘタの切り口はみずみずしく、ガクについているトゲがとがっているものの方がおすすめです。そして、水分が豊富な野菜でもあるため、持った時にしっかりと重さがあるものがよいでしょう。
抗酸化作用の高いナスニンをしっかりと摂取するためには、皮に豊富に含まれているため、皮をむかずに皮ごと丸ごと食べることがおすすめです。また、ナスニンは水溶性であるため、アク抜きのために水にさらすことが多いなすびですが、長時間水にさらさないように気をつけましょう。そして、新鮮なもので、すぐに調理する場合はアク抜き不要でも美味しく食べられますよ。
ナスニンは水溶性のポリフェノールの一種ではありますが、油と一緒に摂取することで細胞壁を通過しやすくなり、体内への吸収率がアップすると言われています。また、油調理では、ナスニンの水への流出を防ぐとともに油の抗酸化力との相乗効果もあり、紫外線からのダメージを守る働きが期待できるのです。
夏野菜でもあるなすは、体を冷やす性質があります。そのため、冷えた調理をして食べ過ぎてしまうと内臓を冷やすことで代謝が低下してしまい、紫外線から受けるダメージの修復が追いつかない危険性があります。また、生や冷たい調理では、ナスニンが流失してしまうことが多いため、常温〜温めて食べる調理方法で作ったものを食べることをおすすめします。
なすは調理方法や食べ方を工夫することで、夏の紫外線から肌を守ってくれる味方になるお野菜です。ぜひ、今年の夏はなすを食べて、体の内からの日焼け止めも活用して見てはどうでしょうか。
【参考文献】
文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年
厚生労働省|e-ヘルスネット
厚生労働省|健康日本21
わかさ生活|わかさの秘密
ライター/管理栄養士 亀崎智子
管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528
NS Labo(栄養サポート研究所)
全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事業を行っている。また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢献活動を行っている。
2025-07-28T03:23:59Z