鉄は、全身に酸素を運ぶヘモグロビンを作るために欠かせない栄養素です。不足すると、疲れやすい、だるい、顔色が悪いといった不調を招きます。
日本人の食事摂取基準と、厚生労働省が実施している国民健康・栄養調査を照らし合わせると、現代女性の鉄不足が浮き彫りになります。
つまり、多くの女性が毎日およそ3〜4mg不足しているのです。この不足の積み重ねが、日々の「なんとなくの不調」の原因となっている可能性があります。
鉄不足対策で最も重要なのは、一度に大量に摂ることではなく、毎日の食事でコツコツ摂り続けることです。
とはいえ、鉄分を意識して食事を整えるのは、忙しい日には少しハードルが高く感じることもありますよね。だからこそ、手軽で、買いやすく、保存もしやすい食材を選ぶことが、続けるうえではとても大切です。
そこで提案したいのが、納豆と青のりの組み合わせです。白ごはんにのせるだけで取り入れやすく、毎日の食事の中に無理なく組み込みやすいのが、この組み合わせの魅力です。
納豆1パック(45g)に含まれる鉄はおよそ1.5mgです。そこに青のり小さじ1杯(1.5g)を加えると、さらに1.2mgの鉄を補うことができます。つまり、納豆と青のりを組み合わせるだけで、およそ2.7mgの鉄をとることができます。
先に紹介したように、多くの女性は毎日およそ3〜4mgの鉄が不足していると考えられます。この組み合わせは、その不足分に近い量を日々の食事の中で補うことができます。
植物性食品に含まれる鉄は、たんぱく質と一緒に摂ることで体に取り入れやすくなるとされています。納豆には良質なたんぱく質が含まれており、その役割を果たすことが期待できます。
また、納豆菌は大腸に届き、体内で有用な働きをするうえ、青のりに含まれる食物繊維が腸内の有用菌のエサとなり腸内環境を整えることにもつながります。この組み合わせは、鉄を効率よく取り入れながら、腸活も実践できる一石二鳥の食べ方です。白ごはんにのせるだけで続けやすく、調理がいらない点も、この組み合わせのよさといえるでしょう。
納豆が栄養豊富な食品であることは、よく知られていますよね。一方で、青のりは意外に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。納豆と組み合わせることで、青のりはたこ焼きやお好み焼きのトッピングだけでなく、毎日の食卓にも取り入れやすくなります。ごま油やラー油などで少しずつ味に変化をつけながら、気軽に楽しんでみてください。
鉄分不足になりやすい世代は、ちょうど仕事や家事、育児で何かと忙しい時期と重なっています。だからこそ、無理なく続けやすい方法を見つけて、賢く、そして楽に鉄分を取り入れていきましょう。
【参考文献】
厚生労働省 令和5年「国民健康・栄養調査」の結果
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)報告書 1-7 ミネラル(2)微量ミネラル」
中村瑞樹
⼤学を卒業後、⼤⽇本印刷グループ⼊社。社員⾷堂運営、従業員の健康管理事業、特定保健指導。その後、レシピアプリを提供するIT系ベンチャー企業に⼊社し、栄養⾷事指導、記事執筆サービス企画など。現在は管理栄養士・琉球料理伝承人として、食・栄養に関する執筆やメディア出演、伝統料理の伝承・普及活動を行う。
2026-05-05T21:39:12Z