猫背は、デスクワークの最中やあぐらで座っている時によく見られる不良姿勢の一つです。背中の中心から腰にかけて丸くなった姿勢が続くと、体の背面の筋肉が過度に引き伸ばされて腰痛の原因になるほか、胃腸が圧迫されて消化不良になる、肺が圧迫されて呼吸が浅くなり緊張状態が続いてしまうなどといった不調の引き金になります。
そんな猫背の原因は、実にさまざま。なかでも意外なのが、胸の浅い部分にある扇形をした筋肉・大胸筋の硬さです。大胸筋は腕を体の前に動かすときに働く筋肉で、腕立て伏せや懸垂、投球などで活躍します。それだけでなく、デスクワークやスマートフォンの操作、読書中など、腕を前に伸ばした姿勢が長く続いたり、緊張している時・寒い時に筋肉が縮こまったりすることでも硬くなってしまいます。
その結果、腕や肩が体の前に引っ張られて、猫背からなかなか抜け出せないループにハマってしまうのです。
大胸筋の硬さは、以下のセルフチェック項目で確認できます。
● 胸を開くとつっぱる
● 肩~胸の筋肉が痛い
● 壁に背中をつけた時、肩甲骨が離れる
● うつ伏せになり頭のうしろで手を組んだとき、ひじが後頭部より持ち上がらない
これらの項目に当てはまった方は、大胸筋が硬くなっている可能性があります。今回ご紹介するストレッチでゆるめましょう。
今回ご紹介するのは、大胸筋をゆるめるストレッチです。ポイントは、「腕を胴体より外側・上に向かって離す」「肩関節・腕を外側にまわす」動きです。ちょっとしたすきま時間でもできますので、ぜひやってみてください!
<やり方>
1)クッションや丸めたブランケットを縦長に置いた上に仰向けになり、脚は腰幅に開いて、ひざを立てる。クッションの高さを活用することで、腕を重力のままに床に近づけるだけで胸が心地良く開きます
2)手のひらは天井に向け、息を吸いながら、両腕を横からまわし、頭の先に伸ばす
3)息を吐きながら、ひじを曲げて体側に引き寄せる
4)2)〜3)の動きを呼吸に合わせて5~10回繰り返す
5)ひじを天井に向け、手の指先を肩に添える
6)ひじを外側に倒す~起こす動きを丁寧に繰り返す。回数の目安は10~20回程度。ひじは可能な範囲で床に近づけましょう
高木沙織
ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。
2025-05-08T11:17:48Z