蒸し暑い時期に特に気になる脚のむくみやだるさ。不快ですよね。なぜこの季節に脚の不快感が起こりやすいか、いくつか理由が考えられます。
湿度が高いと、汗の蒸発が妨げられるため、体に熱がこもりやすくなります。その結果体温調節機能に影響が出て、自律神経に負荷がかかり、血流やリンパも滞りがちになると考えられています。
血管が拡張すると下半身に血液がたまりやすくなるため、心臓に押し戻すふくらはぎの働きにもいつも以上の力が必要となります。加えて、冷房での冷えや、室内と外気の温度差も、脚の重だるさを助長する原因と考えられます。
夏の脚のむくみや重だるさを解消するには、ふくらはぎのポンプを今より強くして、水分の滞りを解消することを心がけましょう。
ヨガのポーズは、かかとを床に安定させることが基本。土台をしっかりと作った上で、ふくらはぎに効かせていきましょう。またこれからご紹介するヒールアップのエクササイズは腰が引けがちです。尾骨を少し下に向ける意識をするとお腹周りにも効果があり、膝への負担が軽減されます。
【足裏グラウウンディング・ワーク】
まずは、すべてのポーズに共通する「足裏の意識を高める」ワークから。土台を整えることで、ポーズの安定感が増すだけでなく、歩き方や姿勢にもよい変化が表れやすくなります。
①足裏の4点(親指の付け根・小指の付け根・かかとの内・外)を意識してまっすぐ立つ。
②足指を浮かせ、指を開き、ゆっくりと床に下ろし、足指で床をつかむ。
【ヒールアップ・マウンテンポーズ】
ふくらはぎを使う意識を育てつつ、体幹トレーニングにも繋がるワーク。3回程度から始めてみましょう。すき間時間にもできる運動です。
①左右の脚を軽く開き、つま先を正面に向け、足裏の土台を整えて立つ。
②土踏まずの上に骨盤、肋骨、肩、頭を乗せて重心を整える。腰に手を添えて行うとわかりやすい。
③重心が整った状態を保ちながら、かかとを上げる。
④かかとや上半身が前後左右にブレないように数呼吸保持し、ゆっくりかかとを下ろす。
※POINT
・かかと同士がくっついたり、太ももだけに体重が乗ってしまうと効果ダウンです。重心を意識して丁寧に行いましょう
【ヒールアップ・チェアポーズ】
股関節を折り曲げて、お腹と一緒にかかとを持ち上げるポーズです。前腿ではなく、お腹と足裏を使いながら行いましょう。
① まっすぐ立ち、両腕を高く上げる。
② 息を吐きながら膝を正面に向け押し曲げ、お腹を引き上げる。
③ 息を吸いながらかかとを持ち上げ、数呼吸キープ。
④そのまま真上に伸び上がり、かかとを下ろす。
※POINT
・親指側だけに体重が乗らないよう、足指全体で体を支えましょう。姿勢が整う効果もあります。
【ヒールアップ・クレセントランジ】
脚を前後に開き、通常は地面についている前足側のかかとを持ち上げる運動です。お腹で安定感を作りながら行えば、後足のふくらはぎの伸びも感じることができます。
① 左右の脚幅を骨盤幅に保ち、前後に大きく脚を開く。
② 足裏の安定感を意識し、骨盤を正面に向け、前膝をまっすぐ正面に曲げる。
③ 後ろ足のかかとを引き上げ、ふくらはぎを伸ばす。
④ 前足のかかとを持ち上げ、左右にぶれないように注意しながら数呼吸キープし、吸いながら膝を伸ばす。
⑤ 手は腰、もしくは両腕を伸ばして高く上げる。
⑥ 3~5回繰り返し、反対側も同様に行う。
※POINT
・骨盤が後ろ脚側に流れないように意識しながら行うと、股関節の調整にも効果的です。
・慣れてきたら、後ろ足のかかとをさらに高く引き上げてみましょう。ふくらはぎに強く効きつつ、お腹と足裏の安定感が高まります。
津野千枝
京都市出身。グラフィックデザイナーを経て2009年からヨガ指導者へ軸足を移す。首都圏大手スタジオやSUPヨガやイベント等で経験を積み、2023年に SVAHAYOGAをオープン。心身の調和を大切にしながら、人生を軽やかに健やかに過ごしたい人を応援しています。スタジオ運営・指導の傍ら早稲田大学研究科博士課程でヨガが脳に与える影響についての研究活動も継続中。3匹の保護されたフレンチブルドッグと暮らす愛犬家。人間科学修士/RYT-500/顔ヨガインストラクターInstagram:https://www.instagram.com/yoga.svaha/
2025-06-10T12:25:22Z