葉酸は「胎児の発育・成長に必要な栄養素」として知られており、妊娠前の女性や妊娠期は積極的な摂取が推奨されています。しかし、実は「新しい細胞をつくるビタミン」、「細胞の成長を支えるビタミン」として、成長期の子供から大人まで年齢を問わずに欠かせない栄養素です。不足すると、貧血や免疫機能の低下、口内炎などが起こることがあります。
葉酸は水に溶けやすく、光や空気、加熱によって減りやすい性質があります。みそ汁は汁ごと摂取できるため、水に溶けやすい葉酸も効率よく摂ることができます。
葉酸はほうれん草から発見された栄養素です。由来のとおり、ほうれん草100g(約1/2束)あたり葉酸は100㎍含まれ、野菜の中ではトップクラスの含有量。
ほかにも小松菜、水菜、キャベツなどの葉物野菜に多く含まれます。「みそ汁にはほうれん草を、ない場合は葉物野菜を1種類入れる」を定番にすることで葉酸の摂取につながります。
ほかにも、春が旬の菜の花は葉酸を多く含む野菜です。天ぷらやお浸しが一般的ですが、みそ汁に加えるのもおすすめです。
また、葉物野菜ではありませんが、ブロッコリーにも葉酸が豊富に含まれています。みそ汁にも意外に合うため、ぜひ試してみてください。
葉酸はビタミンB群の1つです。ビタミンB群の8種類の栄養素は互いに影響し合いながらはたらき、なかでも葉酸はビタミンB12とともに赤血球をつくり、新しい細胞をつくるはたらきを助けます。
そこで葉物野菜と一緒にみそ汁に入れたいのがたまご。たまご1個あたり葉酸約25㎍、ビタミンB12は約0.5㎍含まれます。たまごを加えることにより、葉酸の不足を補うだけでなく、ビタミンB12が葉酸のはたらきをサポートします。
みそ汁は葉酸だけでなく、不足しがちな栄養素を補うために、忙しい朝に便利な1杯です。
ただし注意点もあります。日本人は塩分の摂りすぎが問題視されており、みそ汁は塩分が多くなりやすい特徴があります。
葉酸を増やすために塩分が過剰にならないよう、減塩の工夫必須です。汁物は1日1杯程度を目安にすることや、汁は減らして具を食べるための「具だくさんみそ汁」を意識し、「1日の活動のための1杯」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査」
西迫祐希
幼少期から趣味は「食べること」。思春期に肥満で悩んだことをきっかけに管理栄養士を志す。急性期病院で管理栄養士、日本糖尿病療養指導士として栄養管理や栄養食事指導、糖尿病透析予防指導、栄養サポートチーム(NST)専任などを経験。独立後は「病気になる人を減らしたい」という想いで、一次予防から三次予防まで対応できる管理栄養士を目指している。現在はオンライン・対面での栄養指導や給食運営のサポート、レシピ監修、ライターなど幅広い分野で活動している。
2026-04-06T21:54:00Z