最近よく耳にする「座りっぱなしは健康に良くない」という話題。実は長時間のデスクワークやテレビ視聴などで同じ姿勢を続けることは、体にさまざまな悪影響をもたらすことが分かっています。
● 長時間の座位による血流悪化
● 姿勢の乱れによる腰痛や肩こり
● 代謝低下による肥満
● 脳血流低下による認知症リスク
● 筋肉不使用による下半身の筋力低下
● 血液循環不良による静脈血栓症
● 内臓圧迫による消化不良
● 精神的ストレスによる気分の落ち込み
さらに研究によると、座る時間が長い人ほど平均寿命が短くなる傾向も報告されています。世界保健機関(WHO)も、2020年に「身体活動と座位行動」に関する国際的なガイドラインを発表し、「できるだけ座る時間を減らすべき」としています。
仕事中、さまざまな理由で、トイレにすら立ちづらい時もありますよね。座っているとはいえ、同じ姿勢の状態が続くのもつらいもの。下半身には全身の筋肉の約7割が集まっており、下半身を少し動かすだけでも、代謝・血流などの改善に良い影響が期待できます。
簡単にできる座ったエクササイズとして、
● 座りながらカカトを上げ下げする ● 足首を回す ● 貧乏ゆすりのように下半身を少し揺らす(できれば股関節から動かせると良し) ● 膝を伸ばしたり曲げたりする
このような簡単な動きだけでも、やらないよりは良いということです。さらにもう少し動けそうな方は、股関節からしっかりと動かせるストレッチがオススメです。
仕事中やちょっとした合間にストレッチをする余裕がある方は、ぜひ座ったままでもできるストレッチを行ってみませんか?
座り姿勢が長くなると一番縮んで硬くなりやすいのが、股関節の筋肉。椅子に座ったままでできるストレッチが行えると、股関節まわりには太い血管やリンパ節が集まっているので、下半身の血流改善に効果的です。
今回ご紹介するのは股関節の前側と側面が同時にできるストレッチです。安定した椅子で行うようにしましょう。
<やり方>
1)椅子に対して横向きに座り、左のお尻だけ座面に乗せる
2)左手は背もたれをつかんで安定し、右脚を後ろに引いて股関節を伸ばす
3)さらに余裕があれば右手のひらを後頭部に添え、身体を左に倒す
▼ ぐい~んと伸びる様子を動画でもチェック ▼
伊藤香奈
股関節ヨガインストラクター。会社員歴20年の長年の座り仕事&長時間通勤で、股関節と腰の痛みに悩まされる。解剖学とヨガ・ストレッチ・筋膜リリース・骨格調整などを学び自らの痛みを克服した経験をもとに、オリジナルメソッド「股関節ヨガ」を考案。「立つ・歩く・家事をする・仕事をする」といった日常の動きが楽になるほか、股関節が整うことで、美脚・美尻・むくみ解消・ボディメイクの効果や便秘解消といった女性に嬉しい効果もあると人気が広まっている。
2025-10-01T10:09:05Z