一言でドライ納豆といっても、そのまま乾燥させたり、油であげたりさまざまな方法で作られたものがあります。しかし、現在食品技術の進歩により水分だけを取り除くフリーズドライのものが多いようです。ドライ納豆はネバネバ感がなくなりポリポリと食べられる特徴があります。そのため、生納豆は苦手に感じている人の中にも、ドライ納豆であれば食べられるという人もいるようです。
納豆は栄養価の高い食品として昔から日本で愛されてきた発酵食品のひとつです。
ビタミンKは、血液と骨に必要不可欠な栄養素です。血液を固めて止血したり、骨の材料であるカルシウムの吸収をサポートしたりします。そして、納豆から摂り入れるだけでなく、腸で腸内細菌によってビタミンKは作られます。そのため、発酵食品である納豆を食べることで腸内環境を整えることもビタミンK不足の予防につながるのです。
納豆のネバネバ部分に含まれるたんぱく質分解酵素が、ナットウキナーゼです。ナットウキナーゼは大豆を納豆菌で発酵させる段階で生み出される栄養素です。いろいろな角度から血栓を溶解したり、血圧を下げたり、血流を改善したりなどさまざまな効果が期待できます。
ポリアミンは、すべての生物の細胞内でアミノ酸から作られるものであり、細胞分裂や増殖、生存に欠かすことができない栄養素です。ただし、加齢に伴い体内で合成される量は減るため、納豆のようにポリアミンを豊富に含む食材から摂取するのがおすすめです。ポリアミンは血管の老化を防ぐことで、血流をアップさせることで脂肪が燃焼しやすい体作りにもつながります。
不飽和脂肪酸やナットウキナーゼが豊富に含まれていることから血液サラサラ効果やビタミンB群・K、カルシウムなどが豊富に含まれていることから骨粗鬆症予防を期待できます。また、大豆を原材料とする納豆は体の材料でもあるたんぱく質や大豆イソフラボン、食物繊維なども豊富に含まれているため、腸内環境の改善による便秘解消やダイエット効果、疲労回復なども期待できると言われています。
ドライ納豆は製造過程によって、成分に多少の差はありますが、通常の納豆から水分が取り除かれたものになるため、同じ重量の生納豆と比較すると相対的に栄養価は高いです。
生に比べると水分の含有量が少ないため、保存性が高まることで長期保存ができます。また、乾燥していることで、常温保存できるのも特徴のひとつです。
フリーズドライのものが多いことで、納豆特有のネバネバ感がないためベタつくこともなく、常温での長期保存も可能なため、バックの中に忍ばせていろいろな場所に持ち運びやすいです。
最近では、いろいろなフレーバーのドライ納豆も増えているため、選ぶのを迷うという人も多いでしょう。基本的にはお好みのものを選んで大丈夫ですが、納豆の健康的効果を得たいのであれば、以下の点を意識して選ぶのをおすすめします。水分を取り除いただけの原材料は生納豆と同じ「大豆、納豆菌」のものを選んでみましょう。
生納豆が苦手な人でも試してみやすいドライ納豆は栄養価が高く、常温で長期保存でき持ち運びもできる優れものです。そのため、ドライ納豆を取り入れて腸内環境を整えてみましょう。
【参考文献】
文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年
厚生労働省|e-ヘルスネット
日本ナットウキナーゼ協会
全国納豆協同組合連合会 納豆PRセンター
ライター/管理栄養士 亀崎智子
管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528
NS Labo(栄養サポート研究所)
全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事業を行っている。また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢献活動を行っている。
2025-03-12T08:23:03Z