痩せるためには1日にどれくらい食べればいい? 管理栄養士が教える、食事の適量を知る方法

推定エネルギー必要量とは

推定エネルギー必要量とは、1日生活をすることで消費するエネルギー量のことをいいます。

この推定エネルギー必要量は、年齢・性別・体重・活動量によって決まります。推定エネルギー必要量を正確に求めるためには、以下の手順で計算します。

基礎代謝量を計算する

基礎代謝量とは、生命維持に必要な最低限のエネルギーのことで、寝ているだけでも消費するエネルギーとも言われます。

基礎代謝量は、体重(kg)× 基礎代謝基準値で求められます。

日本人の基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)は以下の通り、年齢や性別によって定められています。

たとえば、30歳女性、体重55kgなら、

55kg × 21.7 = 1,193.5kcal/日

が基礎代謝量となります。

活動量に応じた係数をかける

基礎代謝量がわかったら、そこに活動量に応じた係数をかけて、推定エネルギー必要量を計算します。

基礎代謝量は寝ているだけでも消費するエネルギー量であるため、実際に生活をしているとそれ以上にエネルギーを消費します。そのため、日常生活でどの程度運動や活動をしているかによって、日常生活での活動レベルを選びます。

基礎代謝量にこの係数をかけると、推定エネルギー必要量になります。

例えば、30歳女性、体重55kg、デスクワーク中心の場合

基礎代謝量:1,193.5kcal

1,193.5 × 1.5(活動レベル低い) = 1,790kcal/日

これが、体重を維持するために必要な1日のエネルギー量の目安となります。

痩せるためにはどれくらいエネルギーを減らせばいいのか

体重を減らすためには、推定エネルギー必要量より少ないカロリー摂取が必要です。ただし、急激な減量はリバウンドや健康リスクを高めるため、半年で体重の5%程度の減少を目標としましょう。

体重60kgなら半年で約3kg減が目標ですので、月に約0.5kgずつ減らすペースです。体重を1キロ落とすためには約7,000kcalの削減が必要なため、月0.5kgペースだと、約3,500kcal。1日約100kcalちょっとを削減すると、1ヶ月で0.5kg体重が減る計算になります。

まとめ

痩せるためには、まず自身がどの程度食べたら痩せたり太ったりするのかを把握することが重要です。

今回紹介した推定エネルギー必要量を計算し、身体に必要なエネルギー量を把握したうえで、健康的にダイエットを進めていきましょう。

中村友也

フリーランス管理栄養士。私立大学の管理栄養士養成課程を卒業後、新卒で高度急性病院で栄養管理、栄養指導に従事。栄養指導件数は300件以上。その後独立しフリーランスへ。現在は管理栄養士としての知識や経験を活かし、ライターとして健康、栄養ジャンルの記事を執筆。また、自身の体験を元にしたブログの運営やコミュニティの代表も務めている。

2025-05-05T10:00:25Z