梅雨の時期は湿度が高く、汗をかきにくくなるため、体内に余分な水分が溜まりやすくなります。余分な水分が排出されにくくなると、頭痛や関節の痛み、肌荒れ、胃もたれ、下痢といった不調につながることもあります。また、低気圧の影響で自律神経のバランスが崩れ、血流やリンパの流れが滞りやすくなるため、水分循環がさらに悪化しがちです。
さらに、梅雨の時期は気温が下がる日も多く、体が冷えることで代謝が低下します。冷えによって血流が悪くなると、細胞内に余分な水分が溜まり、むくみやすくなるのです。梅雨時のコンディショニングでは「温めながら流す」ことを意識しましょう。むくみを防ぐために、次の3つのポイントを押さえることが大切です。
① 体内の余分な水分を排出する
→水分代謝を促し、むくみを防ぐ
② 全身の血流を促す
→体の冷えを防ぎ、血液やリンパの巡りを良くする
③ 消化機能を整える
→胃腸にやさしく、栄養を効率よく吸収できる体づくりをサポート
今月号では、この3つのポイントを押さえたコンディショニング方法を紹介します。
梅雨どきは、体が重だるくなったり、気分がすっきりしなかったり…。外出が減って運動不足になりがちなこの時期は、筋肉のポンプ機能が低下し、水分や血液の巡りが滞りがちに。結果、むくみや冷えが悪化しやすくなるんです。
そこで今回ご紹介するのは、更年期ケアに精通し、4児のママでもある理学療法士・miho先生の「ながらツボ押し」。
全身の巡りをよくするポーズとツボ押しを組み合わせた、忙しい女性にぴったりのセルフケアです。
掃除をしながら、歯を磨きながら、テレビを見ながら、本を読みながら——。
日常生活のすきま時間にちょこちょこと取り入れられる「ながらツボ押し」で、心も体も軽やかに過ごしましょう。
立った状態で片脚を軸にし、もう一方の足裏をふくらはぎや内ももに当ててバランスを取るポーズ。下半身の血流やリンパの流れを整え、むくみ軽減、集中力アップ、姿勢改善、リラックス効果が期待できます。
壁などを支えにして行うと、安全かつ軸脚も安定しやすいのでツボも捉えやすくなります。 心と体の巡りを整える「ながらツボ押し」、梅雨のセルフケア習慣にぜひどうぞ。
管理栄養士の石松佑梨です。これまでトップアスリートの食トレをサポートしてきましたが、今は自分が更年期の真っ只中。だからこそ、無理なく続けられる「朝のみそ汁習慣」をお伝えしています。
梅雨から夏にかけては、消化に負担の少ない食事を意識し、冷え対策をすることがとても大切です。特に朝の温かいみそ汁は、体内にたまった冷えた水分(代謝水)を押し出し、胃腸を温めるのに最適です。
やわらかく煮た具材は胃腸にやさしく、発酵食品であるみそと組み合わせることで、効率よく栄養を補えるのも大きな魅力です。
この時期にぜひ取り入れたいのが「納豆」です。
豊富に含まれるタンパク質は、筋肉の材料となり、血液や体内の水分を全身に巡らせる“ポンプ機能”をサポートしてくれます。とくに梅雨どきは湿気や冷えの影響で、体内の水分循環が滞りやすくなりがちです。筋肉をしっかり動かすための栄養をとることで、水分代謝の改善や、むくみ対策にもつながります。
また、納豆は発酵の過程でタンパク質がアミノ酸やペプチドに分解されているため、消化吸収にすぐれているのも大きな魅力です。胃腸機能が落ちやすくなるこの時期には、消化に負担をかけず、効率よく栄養を摂取できる納豆がぴったりです。
さらに、納豆にはカリウムも豊富に含まれています。カリウムには体内の余分な水分を排出する働きがあるため、むくみの軽減効果も期待できます。ただし、カリウムは水に溶けやすい性質があり、茹でたり水にさらしたりすると流出しやすいという特徴があります。
その点、みそ汁のように具材の栄養が溶け出した汁ごといただける調理法は、カリウムをムダなく摂取できる理想的な方法です。
一般的に、カリウムが豊富な食材は体を冷やす傾向にありますが、納豆には体を温める作用もあるため、冷えやすい梅雨時の食養生にも適しています。
とくにおすすめしたいのが、細かく刻まれた「ひきわり納豆」です。より消化しやすく、胃腸への負担を軽減してくれるので、朝のみそ汁の具材として取り入れるのに最適です。
「ながらツボ押し」と「朝のみそ汁習慣」を組み合わせることで、梅雨の不調をより効果的に整えることができます。
ぜひ、毎日の生活に取り入れて、むくみに負けないスッキリ習慣を始めてみませんか?
physical partner mozzuto -もずっと-
理学療法士・ヨガインストラクター miho先生
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石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
2025-06-07T22:29:21Z