スマホをのぞき込む姿勢って、思っている以上に首に負担がかかります。頭の重さは約4〜6kgほどと言われていますが、前に倒れる角度が大きくなるほど、首への負担は倍々ゲームで増加。
その結果、
・首まわりの筋肉がパンパンにこる
・肩が自然と前に巻いてくる
・血流が悪くなって頭痛が出る
といった“姿勢由来の不調”が積み上がってしまうんですね。
レントゲンやCTでは骨や臓器の異常は出ないので、“原因不明の不調”として片づけられがち——そこがスマホ首のやっかいなところなんです。
スマホ首が続くと、首の自然なカーブ(前弯)が失われ、いわゆる“ストレートネック”の状態になります。
すると…
① 首の筋肉がずっと緊張したままになる
本来、首の骨のカーブが頭の重さを分散しているのに、そのカーブが減ると筋肉が直接重さを支えるはめに。結果、筋肉が疲れ切ってガチガチの肩こりの出来上がりです。
② 血流が悪くなり、頭痛が起きやすくなる
首の筋肉がカチカチになると、頭を栄養する血流も低下してしまい、“締め付けられるような頭痛”が出やすくなります。
③ 神経が過敏になり、こめかみ〜後頭部に痛みが走ることも
筋肉の緊張によって神経も圧迫され、後頭部や目の奥に響くような痛みを感じる人もいます。
実際、在宅ワークになってから頭痛が急増した人の多くは本人の自覚以上に、首が前に倒れた姿勢になっています。
「仕事終わって鏡を見ると、首の位置がいつのまにか前に出てる…」、そんな状態が長く続くと、頭痛はクセのように繰り返されてしまいます。
スマホ首は“骨が曲がった”というより、単なる姿勢のクセの積み重ねです。だからこそ、日常での小さな修正がものすごく効きます。
これだけで首の角度が改善します。
おへそ〜胸の高さでスマホを持っている人は要注意。
・あごを軽く上に向ける
・鎖骨に手を当てて軽く引き下げる
これだけで前側の張りがスッと抜けやすくなります。
肩を後ろに大きく回す→ 巻き肩がゆるんで首の負担がグッと減ります。
深呼吸して、背筋を伸ばし、頭を少し後ろに。“首が前に出すぎてない?”と確認するだけでOK。
高い枕は首をより前に押し出すので、寝ている間もスマホ首の姿勢が続いてしまいます。
ちょっとずつでも続けると、「あれ? 今日あんまり頭痛しないかも?」という日が増えてきます。
・CTやMRIで異常なしでも、姿勢の乱れで頭痛や肩こりは起こる
・スマホ首は“ストレートネック”を招き、筋肉の緊張や血流低下を引き起こす
・頭痛、肩こりの多くは“使い方のクセ”が原因
・スマホの位置調整、ストレッチ、こまめな姿勢リセットで改善が期待できる
“現代病”と言われるスマホ首ですが、正しい使い方さえ身につければ、体はちゃんと回復してくれます。
まずは今日、スマホを目の高さに持ち上げるところから始めてみてください。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
甲斐沼 孟
大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センターや大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センターなどで消化器外科医・心臓血管外科医として修練を積み、その後国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長として地域医療に尽力。2023年4月より上場企業 産業医として勤務。これまでに数々の医学論文執筆や医療記事監修など多角的な視点で医療活動を積極的に実践している。
2026-01-10T12:09:09Z