自律神経には、活動する際に優位になる「交感神経」と、リラックスをする際に優位になる「副交感神経」があり、体温調節、呼吸、血流、内臓の働きなどをコントロールしています。体のバランスを保つために大切な自律神経ですが、気温・気圧・湿度といった外的な環境変化やストレスの影響を受けると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすくなるのが特徴です。
・気圧の低下…梅雨時期は、低気圧が前線の上を繰り返し通過している状態が続きます。そのため自律神経が乱れやすく、頭痛、めまい、体のだるさの症状が出ることがあります。
・湿度の上昇…湿気が多いと、汗をうまくかけずに体内の水分が停滞し、むくみや冷え、消化不良を引き起こします。このような体の不快感が続くと、自律神経が過敏になり、さらに調子が崩れやすいという悪循環におちいります。
・日照時間の減少…雨や曇りの日が続くと、日光を浴びる時間が少なくなります。太陽の光は、自律神経を整えるホルモン「セロトニン」の分泌に欠かせません。日照不足によりセロトニンの分泌が減少すると、気分の落ち込みや睡眠の質の低下を感じやすくなります。
脊髄の自律神経の中枢は、第1胸髄から第3〜4腰髄にかけて交感神経が、仙髄に副交感神経が存在しています。
そのため、背骨まわりがこわばっていると、神経の伝達がスムーズにいかず、心と身体のバランスが崩れやすくなってしまいます。特にデスクワークやスマートフォンの使用時間が長い人は、背中が丸まった猫背の姿勢になりやすく、首・肩の緊張や背骨の硬さにつながります。
呼吸に合わせて背骨をゆっくりと動かすことで、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになり、梅雨時期の体の重だるさや憂鬱さの解消につなげることができます。
自律神経を整えるために、硬くなった背骨まわりの筋肉をほぐすストレッチを2つご紹介します。
①あぐらをかいて座ります。両手の指を組み、腕を前に伸ばします。
②息を吐きながら骨盤を後ろに傾け、おへそを覗き込みましょう。背中が丸くなり、背骨まわりの筋肉がググーっと伸びるのを感じましょう。
③骨盤を元の位置に戻し、息を吸いながら両手を天井方向に上げます。
④顔は真正面に向け、背筋を伸ばし、背骨まわりの筋肉を縮めていきましょう。
⑤呼吸に合わせながら、この動きを3回ほど繰り返しましょう。
①あぐらをかいて座ります。大きなボールを持っているイメージで、胸の前で両腕で大きな円を作ります。指はくっつけなくてOK。
②腕の形をキープしたまま、上半身を左右に大きくゆらゆらと揺らし、背骨まわりの筋肉をほぐしましょう。
③同様に上半身を右斜め上から左斜め下に向けて揺らします。同様に左斜め上から右斜め下にも揺らしましょう。
上村ゆい
精神保健福祉士・社会福祉士の国家資格を持つヨガインストラクター。精神科ソーシャルワーカー・飲食店ホールスタッフ・美容部員・農業のお手伝いなど幅広い職種を経験し、2017年からフリーランスのヨガインストラクターとして様々な場所でレッスンをしている。どちらかというと身体が硬めのヨガインストラクター。自身の身体の硬さを活かしたヨガレッスンは、50代以降の方に人気。
2025-06-09T12:21:43Z