暑さが落ち着き、喉の渇きを感じにくくなる秋。実はこの季節、肺や肌、喉、髪だけでなく、腸も乾燥しやすい時期です。そのため便秘に悩む人が増える傾向があります。
東洋医学では、秋は「肺・大腸」の季節。「肺」と「大腸」は表裏一体の関係にあり、肺が乾燥すると水分を大腸に届けられず、便秘につながります。キーワードは“燥(乾燥)”。朝いちばんに深呼吸をして、体の内側からうるおいを巡らせましょう。
さらに腸は、免疫細胞の約70%が集まる重要な器官。腸内環境を整えることで、風邪や感染症に負けない体づくりができます。
一方、秋は体が**“燃える準備”を始める季節**。気温の低下とともに基礎代謝が上がり、脂肪を燃やしやすいモードに切り替わります。だからこそ、秋の腸活はダイエットにも美容にも最適なタイミングなのです。
今回は、私・管理栄養士 石松佑梨と、理学療法士で更年期セラピストのmiho先生によるコラボ企画。「食」と「ストレッチ」の両面から、秋の腸をやさしく整えていきましょう
ヨガインストラクターであり、更年期専門セラピストでもあるmiho先生が教えてくれるのは、「朝の3分腸活」。胸を開き、手のツボをやさしく刺激して、呼吸を深めることで肺と大腸の巡りを整えます。
ベッドや布団の中でもOK! 起き上がる前に試してみましょう。
大腸経絡を刺激し、肩甲骨まわり〜胸椎の可動性をアップ。胸郭が広がり、呼吸が深まります。
- 姿勢
- 手のセット
- 動き方
肩・首のこわばり、便秘、鼻の症状、手の疲労リリース。
自律神経の切り替えを助け、呼吸が整いやすくなります。朝の目覚めスイッチにも◎。
- 場所
手の甲、親指と人差し指の骨が交わるくぼみ(やや人差し指側)
- 押し方
指先を人差し指の骨に向け、痛気持ちいい圧で10秒×3回(左右)。呼吸は止めないように。
- 注意点
妊娠中は専門家に相談し、強い刺激や長時間の押圧は避けましょう。
続けるほど、日中の呼吸の深さと体の軽さを感じやすくなります。
冬本番に向けて、“巡るからだ”を今日から育てていきましょう。
これまでトップアスリートの食トレを支えてきましたが、今は私自身が更年期の真っ最中。だからこそ、今いちばん伝えたいのは「がんばらない整え方」です。
肌寒く乾燥する秋は、“温める腸活”を意識して。えのき、山芋、白菜、さつまいも、かぼちゃなど、食物繊維たっぷりの食材で作る温かいみそ汁は、この季節にぴったりの整えごはんです。
- 材料
鶏こま肉 100g、さつまいも小 1個、えのきだけ 1/2袋、ねぎ(小口切り) 少々、しょうが(すりおろし) 少々、だし汁 300ml、みそ 大さじ2
- 作り方
さつまいもは皮つきのまま5mmのいちょう切り、えのきは3cmに切る。
鍋にだし汁としょうがを入れて中火にかけ、煮立ったら鶏肉を加え2〜3分煮る。
さつまいもを加え、弱火で7〜8分煮る。やわらかくなったらえのきを加え1〜2分煮る。
火を止めてみそを溶き入れ、器に盛り、ねぎをのせて完成。
① 鶏肉
良質なたんぱく質で筋肉量を維持し、基礎代謝をサポート。冷えにくく、脂肪を燃やしやすい体づくりに役立ちます。しょうがやねぎの温め効果で血流やリンパの巡りも促し、冷えやむくみを防ぎます。
② さつまいも
食物繊維・ヤラピン・レジスタントスターチが腸内環境を整え、短鎖脂肪酸の産生で腸バリアや代謝を助けます。βカロテン・ビタミンC・ポリフェノールも豊富で、肌や血管の老化を防ぐため、皮ごと調理がおすすめです。
③ えのきだけ
食物繊維で腸内フローラを整え、GABAの作用でリラックス効果も。腸と脳は“腸脳相関”でつながっており、腸活はメンタルケアにもつながります。
「食べる」と「整える」は毎日の積み重ね。
体と心をやさしく温めながら、“がんばらない整え習慣”を楽しみましょう。
physical partner mozzuto -もずっと-
理学療法士/ヨガインストラクター miho先生
4児の母。女性の“ウェルエイジング”を支えるボディ&メンタルケアを発信中。
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
2025-10-30T22:09:11Z