日本人の平均睡眠時間は短く、約4割の人は6時間未満という調査結果がでています。睡眠の適正時間は人それぞれではありますが、6時間未満の短い睡眠はさまざまな不調や疾患の原因となってしまいます。睡眠不足がもたらすリスクについて見てみましょう。
睡眠は、身体をメンテナンスをするうえで大切な時間です。睡眠不足は免疫力が低下してしまい、風邪にかかりやすくなったり、高血圧や糖尿病、脂質異常症、心疾患、脳血管疾患など生活習慣病になる危険性もあります。身体の不調だけでなく、うつ病といった精神疾患にも深く関わりがあり、うつ病の初期症状には、不眠や睡眠の質の低下があります。
睡眠不足は脳が疲労してしまい、集中力や注意力、記憶力などが低下してしまいます。集中力の低下は勉強でケアレスミスをしたり、仕事での作業効率の低下などさまざまな支障がでてしまいます。
睡眠時間が短いと食事や運動など生活習慣が乱れてしまい、肥満につながるという研究結果があります。また、睡眠不足により食欲を促進するホルモンが増加し、逆に食欲を抑制するホルモンは減少してしまうため必要以上に食べてしまい、肥満の原因になってしまいます。
睡眠不足の要因はさまざまありますが、普段口にしている食べものが睡眠を妨げたり、睡眠の質を低下させたりします。いつも食べているものが当てはまるかどうかチェックしてみましょう。
糖分の多い加工食品や甘いスナック菓子(ポテトチップスやドーナッツなど)は、血糖値が急上昇・急下降してしまいます。血糖値の変動は夜間の目覚めを増やしてしまい、睡眠を妨げる原因となります。
寝る前にピザやハンバーガー、ラーメン、揚げ物など脂質やたんぱく質が多いものを食べると、胃酸の逆流や胃の不快感などが起こり、眠りを妨げることがあります。
辛いものや酸味の強い食べもの、炭酸飲料など刺激のある食べものは、消化に時間がかかり胃に負担を与えてしまいます。また、辛いたべものは交感神経を優位にしてしまい、なかなか寝付けなくなってしまいます。寝る前にリラックス状態になる副交感神経を優位にした方がいいので、辛いものは避けるようにしましょう。
寝る前の食事は、血糖値や胃の働きに深く関わってきます。よい睡眠をとるためには、身体をリラックスモードにすることが大切なので、胃にやさしい食事にしたり、どうしてもジャンキーなものを食べたいときは、食べる時間を早めにするといった工夫をしてみましょう。
【参考文献】
厚生労働省 「知っているようで知らない睡眠のこと」
山口ミホ
管理栄養士、腸活アドバイザー。病院の栄養士を経験後、安心しながら美味しく食べられるものを作りたいという思いから、食材の味や旬、無添加を大切にするジャム専門店にて店長として従事。レシピ開発や製造・加工、店舗運営を経験。現在は腸活アドバイザーを取得し、食で体もココロも美しくをテーマに、フリーランス管理栄養士として活動。
2025-04-14T10:07:21Z