春に体調を崩しやすいのは「肝」が疲れているから?春に体調を崩す人がやっている「3つのNG食習慣」

食養生とは

食養生とは、健康維持のために「何をどのように食べるのが良いのか」という多くの先人たちから引き継がれてきた英知のことです。食養生の基本は、東洋医学の考えに通じているため、明治以降の西洋医学の発達により一度衰退してしまいました。しかし、近年マクロビオティックや代替医療などに注目が集まるようになり、食養生が再注目されています。

春は五臓の「肝」に要注意!

冬から春になるにつれて温かくなることで、全体的に五臓六腑も活性化することで、肝の動きも活性化し、冬の間に溜め込んだ老廃物や脂肪を外に排出しようとします。フル稼働で排出が行われることで、肝にかかる負担は大きくなるため、中医学的視点で見ると、春は五臓のうち「肝」に負担がかかりやすくなる季節であるといわれています。沈黙の臓器とも呼ばれ、消化液の胆汁を作ったり、栄養素を溜めたり、変化させたりさまざまな働きをする肝臓が疲弊することで、本来の働きができなくなってしまい、不調が起きやすくなります。

春に避けたい3つの食習慣

甘いものを食べ過ぎない

春は歓送迎会や花見などで飲んだり、食べたりする機会が増え、甘いものを口にする機会も多く、肝に負担がかかりやすいです。そのため、肝の働きをサポートする「血」を補う「牡蠣やあさり、なつめ、ほうれん草など」を意識して取り入れるとよいでしょう。また、五味のうち「酸味」がよいといわれているため、酢やレモン・グレープフルーツなどの柑橘類、梅干しなどを味付けに使用することをおすすめします。

麺類やパンなどの小麦製品を食べ過ぎない

手軽に食べられることと米の価格高騰で、うどんやパスタ、パンなどを食べる機会が多いという人も多いかもしれません。しかし、疲労も溜まりやすい春はエネルギーにもすぐ変換されて、胃腸の働きをサポートしてくれることが期待できると言われる米をしっかりと食べることがおすすめです。デトックスを促すためには、玄米がおすすめではありますが、正しい炊き方でよく噛まなければ、逆に消化の負担が高まります。そのため、部づき米や雑穀をプラスするなど食べやすい形で適度に食べるというのでもよいでしょう。

アルコールを飲みすぎない

歓送迎会や晩酌などで毎日のようにアルコール摂取をしているという人は、肝臓が酷使されている可能性が大です。飲酒量を減らすのはもちろんですが、まずは週1回でも休肝日を作ることをおすすめします。また、春は特に体の中の老廃物が排出されやすい季節です。そのため、解毒作用が期待できる苦味や渋みをもつ緑茶をいつもよりも濃いめにして飲むとよいでしょう。また、意外と体が冷える時期でもあるため、冷たいよりも温かい緑茶の方がおすすめです。

 

春の養生を意識して、元気な春を迎えませんか?

春の養生で意識することは決して難しいことではありません。意識すれば、今日からでも取り入れることができることばかりです。ぜひ、今年は春の養生をして元気に春を過ごしませんか?

【参考文献】

厚生労働省|e-ヘルスネット

公益財団法人長寿科学振興財団|第1回 春の養生

ライター/管理栄養士 亀崎智子

管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528

NS Labo(栄養サポート研究所)

全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事業を行っている。また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢献活動を行っている。

2025-05-02T12:59:16Z