新玉ねぎは温暖な地域で3月〜5月頃に出荷される早取りの玉ねぎです。水分が多く、辛みが少ないことが特徴です。
主な栄養素は通常の玉ねぎと同様で以下のとおりです。
・硫化アリル・・・血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化や生活習慣病の予防に役立ちます。
・ケルセチン・・・ポリフェノールの一種で抗酸化作用や抗炎症作用があります。血管や細胞を保護し、動脈硬化の予防に効果的。
・カリウム・・・体内の余分なナトリウムを排出し、血圧の改善やむくみの予防に効果的です。
・フラクトオリゴ糖・・・腸内環境を調え、便通の改善や美肌にも効果的です。
新玉ねぎは普通の玉ねぎと比べると甘さを感じますが、その秘密は「出荷時期」と「水分量」にあります。
出荷時期・・・通常の玉ねぎは日持ちをさせるために、収穫後1ヵ月ほど風を当てて乾燥させますが、新玉ねぎは収穫後すぐに出荷します。玉ねぎの辛味成分である硫化アリルは熟成期間で増えるため、収穫後すぐに出荷される新玉ねぎは辛みが抑えられていて、結果甘く感じるというわけです。
水分量・・・収穫後乾燥する工程がない新玉ねぎは、水分量が多く、玉ねぎの素材感が控えめです。素材の特徴である「苦み」が抑えられるため、甘さが際立って感じるのです。
甘くてみずみずしい新玉ねぎですが、水分量が多く傷みやすいため、保存方法には気を付けましょう。
皮は乾燥を防ぐ役割があるため剥かずに、1個ずつキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて保存します。切った玉ねぎを冷蔵保存する場合は2~3日で食べるようにしましょう。
一度にたくさん新玉ねぎが手に入った場合などは冷凍保存もできます。
・生のまま冷凍
使いやすい大きさにカットして密閉できる冷凍用保存袋に入れて空気を抜いて保存します。冷凍すると繊維が壊れて柔らかくなるため、火が通りやすく時短調理にピッタリです。
・炒めて冷凍
炒め物やハンバーグに使うことが多い場合は、一気に炒めて冷凍しておくことがおすすめです。炒めるとかさが減り保存しやすくなるメリットもあります。薄くスライスかみじん切りにして、しんなりとしてあめ色になるまで炒めます。粗熱が取れたら密閉できる冷凍用の保存袋に入れ空気を抜いて保存します。使う分量をラップに包んで小分けにしておくと使いやすいですね。
【参考】
農林水産省(新玉ねぎと普通の玉ねぎの違い)
独立行政法人 農畜産業振興機構
ライター/浅野いずみ
行政管理栄養士として保育園や老人ホーム等の施設衛生・栄養管理の指導に従事。その後フリーランスとして特定保健指導やダイエットプランナーとして個人の栄養や健康をサポートしている。食材の持つ力や組み合わせ、効果的な調理法についてのテーマを中心に、食べることが楽しくなるような執筆を心掛けている。
NS Labo(栄養サポート研究所)
全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事業を行っている。また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢献活動を行っている。
2025-04-11T12:06:17Z