ごぼうには、水分を吸収して腸の働きを活発にする食物繊維が多く含まれています。水溶性の食物繊維はイヌリンといい、血糖値の上昇を抑える働きがあります。また、不溶性の食物繊維はリグニンといい、便秘や肥満を防止し、大腸がんの原因物質を体外に排出する働きがあります。腸内環境をクリーンに掃除してくれる頼れる存在です。アクの成分にはポリフェノールが豊富に含まれ、抗酸化作用や抗ガン作用があります。アンチエイジングにも効果が期待できるので、春の新ごぼうの時期だけでなく、定期的に摂取したい野菜のひとつですね。
ごぼうが持っている力を余すことなくいただくために、調理の際のポイントをおさえていきましょう。
1.皮むきは最小限に
ごぼうのポリフェノールは、野菜を外部刺激から守る働きをしています。そのため、中心部よりも皮の部分に多く含まれています。皮むきをするときは、たわしで優しくこするようにして、ポリフェノールを落としすぎないように注意しましょう。
2.アク抜きは不要
ポリフェノールは水に長時間さらすと流れ出てしまいます。アク抜きはごぼうを洗う程度にしましょう。白く仕上げたい場合は酢を使用して短時間で済ませます。
3.薄切り・ささがきにカット
ごぼうのポリフェノールは切断することで成分が活性化します。輪切りよりも薄切りやささがきなど、細かくカットした方が効果が約1.5倍アップします。
4.レンチン&蒸す 水を使わず調理
ポリフェノールなどの抗酸化成分は、加熱することでも活性化しますが、切ってから調理するので、茹でたり煮たりすると外に流出してしまいます。レンジ加熱や蒸し調理なら、水を使わずに抗酸化力を活性化することができます。
いかがでしたか。ごぼうの抗酸化力を最大限にする方法を取り入れると、より健康的な食生活が送れるようになりますね。
ごぼうを食べる習慣は、長い間日本だけといわれていましたが、最近ではアジア各国でも食べられるようになり、ヨーロッパでも関心が高まってきているそうです。ごぼうにしかない香りや食感など、味ももちろんですが、その高い栄養効果が世界でも注目されているのですね。ぜひ、日々の食事に取り入れてみてください。
《参考文献》
ゴボウ|とれたて大百科|食や農を学ぶ/JA
新・野菜の便利帳おいしい編/高橋書店
完全版その調理、9割の栄養捨ててます!/世界文化社
《ライター》やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。
NS Labo(栄養サポート研究所)
全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事業を行っている。また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢献活動を行っている。
2025-03-10T12:07:28Z