栄養価が高いイメージのある豆腐ですが、製造過程で加熱・水にさらされるので、水に溶けやすいビタミン類が失われがちです。
ビタミンAは強い抗酸化力を持つことで知られる栄養素です。目の健康維持をはじめ、皮膚や粘膜の保護など身体の様々な機能に関わる栄養素です。
コラーゲンの生成を促進し、お肌のキメを整えてハリと弾力のある肌を作ります。またメラニン色素の生成を防ぐ働きや効果があり、肌のハリとしみ防止に効果的なビタミンです。豆腐にはこのビタミンCがほぼ含まれていません。ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いため、製造過程で失われやすいと考えられます。
ビタミンEも強い抗酸化力を持ち、老化防止や健康な肌の維持に役立ちます。ビタミンEは血行を促進し新陳代謝を活発にする働きもあり、肌にハリが生まれ、紫外線に対する抵抗力も高まりしみやそばかすにも効果があります。また紫外線やストレスで発生した活性酸素を除去する働きがあります。
ビタミンA・C・Eは合わせて「ビタミンエース(ACE)」とも呼ばれ、いずれも抗酸化作用を持つ栄養素です。活性酸素は紫外線やストレス、生活習慣の乱れなど外部からの様々な刺激により生まれます。これが過剰になると身体が酸化して老化が進んだり、ガンや動脈硬化などの生活習慣病の原因になります。抗酸化作用を持つ食べ物を食べると、活性酸素が増えるのを抑えたり、ダメージを受けた細胞の修復や再生を促してくれるので、老化や生活習慣病の予防に繋がります。
トマトはビタミンAとビタミンCが豊富、オリーブオイルはビタミンEが豊富な食材です。トマトとオリーブオイルはイタリアンの定番の組み合わせですが、淡白な味の豆腐にもよく合います。角切りにしたトマトとオリーブオイルと塩を和えて豆腐にかけるとトマトのさわやかな酸味でさっぱりおいしく食べられます。
油漬けのまぐろは意外にもビタミンEが豊富な食材です。大根おろしからはビタミンC、しそからはビタミンAが摂れます。大根おろしに含まれる酵素は脂質の消化をサポートする働きもあり、さっぱりとしながらも食べ応えもある組み合わせです。
豆腐は優れたタンパク源ですが、ビタミンACEが不足しがち。冷奴にちょっとした工夫を加えるだけで、よりバランスの良い栄養が摂れるようになります。日々の食卓に、ぜひ取り入れてみてください。
田中ひろか
管理栄養士。保育園栄養士、ダイエットインストラクターとして食事指導とレシピ提供の経験を経て渡豪。バイロンベイでのヨガリトリート中ベジタリアンの食生活を経験したことから、幅広い野菜の食べ方を知る。食を楽しみながら健康的なライフスタイルを築くため、’’野菜をおいしく手軽に食べる方法’’を研究中。現在はメルボルンに在住し、オンラインの食事指導とカフェのヴィーガン、ベジタリアンメニューの提案に携る。
2025-06-08T03:29:39Z