寝苦しい夜もこれでスッと寝付ける!朝までぐっすり気持ちよく眠れる、お休み前の3ステップ

寝つきが悪くなる原因

1.自律神経の乱れ

まず大きな要因のひとつは、自律神経の乱れです。

日中の緊張や情報過多、夜遅くまでのスマートフォン使用などによって、私たちの心と体は常に“オン”の状態にあります。これは、自律神経のうちの交感神経が優位になっている状態です。交感神経は活動や緊張、ストレスに関わる神経で、仕事や育児、対人関係などで気を張っているときに活発に働きます。

本来、夜になると副交感神経が優位に切り替わり、心拍数が落ち着き、呼吸が深くなり、筋肉もゆるんでいきます。しかし、交感神経が優位なまま夜を迎えると、脳も体も「まだ活動中」と認識したままになり、自然な眠気が起こりにくくなってしまいます。

2.季節要因

さらにこの時期は、気温や湿度、気圧の変化が激しいですよね。とくに梅雨のように湿度が高く蒸し暑い気候では、体温調節や体内のバランスを保とうとして自律神経がフル稼働し、体に大きな負担がかかります。また、日照時間の減少によって体内時計(サーカディアンリズム)が乱れやすくなり、睡眠のリズムにも影響を及ぼします。こうした外的な要因も、寝つきの悪さにつながる一因です。

3.体のこわばり

また、体のこわばりも眠りを妨げる一因になります。とくに、以下の3パーツの状態は寝つきの悪さに直結します。

背骨まわりの緊張

背骨周辺は自律神経の通り道でもあり、特に胸椎や腰椎の筋肉が緊張していると、自律神経のバランスが乱れやすくなります。

足先の冷え

足の指や足裏には毛細血管や末梢神経が密集しているため、冷えやむくみがあると体の冷感が強まり、入眠を妨げることがあります。

お腹の張り

腹部には自律神経が密集する「腹腔神経叢(ふくくうしんけいそう)」があります。緊張が続いて腸の働きが乱れると、副交感神経の働きが鈍り、眠りの質に影響を及ぼすこともあります。

これらの要因が、布団に入っても目が冴えてしまったり、呼吸が浅くなって落ち着かない、といった“寝つけない状態”を引き起こすのです。

スッと眠るための3ステップ

そこで今回は、寝る前の数分で心地よく眠りに入るための簡単な3ステップをご紹介します。

1)背骨をゆるめる

背骨の緊張をゆるめることで、自律神経のスイッチを「休息モード」に。背骨をやさしく動かして柔軟性を引き出すことで、呼吸が自然と深まり神経の通り道がゆるみ、全身の緊張がほどけていきます。

2)足先を動かす

足先を小刻みに動かすと、滞っていた血流が流れはじめ、末端がポカポカと温まります。また、足先を動かすことでふくらはぎの筋ポンプが働き、血液が心臓に戻りやすくなります。末端の冷えが取れることで、深部体温も緩やかに下がり、自然な眠気が促されるのです。

3)お腹をほぐす

お腹をゆるめることで副交感神経が優位になり、内臓の緊張が和らぎます。また、リラックス時に分泌されるホルモン「オキシトシン」が増えるともいわれており、安心感や入眠しやすい状態をサポートします。

実践

1)背骨をゆるめる

楽な姿勢で座り、上半身をゆったりと回しやすい方向に回す。何周かしたら反対回しも行う。

2)足先を動かす

片膝を立てて、足の親指と人差し指を縦にパタパタと小刻みに動かし、隣の指に移動して小指までほぐす。反対足も同様に行う。

3)お腹をほぐす

仰向けになり、右側の骨盤(腰骨)の内側を両手の指で軽く押さえて、右足のつま先を左右にパタパタと振る。

両手を真上にスライドさせて肋骨のキワに触れ、同様に右足を振る。

左側にも順に移動し、左肋骨キワ→左腰骨内側と同じように指を当てて、左足を振る。

ポイント

100%力を入れて頑張ろう!という気持ちを手放し、なんとなく、らく~な気持ちで行いましょう。

3)のお腹ほぐしでは、肋骨の骨自体は押さず、骨のすぐ下に指を当てるようにしてください。

心と体をゆるめる夜の3ステップ習慣、ぜひ今日から取り入れてみてくださいね。

▼ 詳しい動きを動画で確認したい方は、こちらからどうぞ ▼

高山ゆかり

ヨガインストラクター。【姿勢と自律神経を整え健やかに】 をコンセプトに活動。長年の運動不足により体調を崩したことをきっかけにヨガを始める。ヨガに筋膜リリース、ピラティスを取り入れることで硬かった体がほぐれ、インストラクターの資格取得に至る。福岡市内のスタジオ、自宅にてヨガレッスンを行う。RYT200/チェアヨガ/ピラティスインストラクター/アロマテラピー検定1級。プライベートでは2児の母。

2025-06-09T12:06:14Z