筆者のヨガの生徒さんで、眠りが浅く中途覚醒があるとお悩み方がいました。さらについ2~3日前に背中の筋肉がつってしまい、背中の痛みもある。ということで、背中から首の筋肉をリリースしたり、ストレートネック改善のエクササイズを行ったところ、「翌日は朝までグッスリ眠れた!」と嬉しい報告をいただきました。
痛みがあったり寝付けないと聞くと、リラックスすることや、とにかくほぐすことが頭に浮かぶかもしれませんが、実は伸びきって硬くなっている筋肉は使って縮めてあげることでちょうどいい具合に整うことがあるのです。
この生徒さんに限らず、現代人の多くはストレートネックの姿勢。テレビドラマやYoutubeを観ていても、あれだけイケメンな俳優さんの横からのシルエットがストレートネックすぎる・・・とついつい話の内容より姿勢に目が行ってしまう事も。ストレートネックとは、本来あるべき首の骨のカーブがなくなり首が前に出てしまっている状態です。
筋肉は、重たい物を支えようとする時、ずっと引っ張っているのは疲れるからその位置で固めてしまおう!という作用が働きます。
ストレートネックになると、5~6キロあるといわれている重たい頭を首から背中の筋肉が支えようとするため、背面の筋肉が伸ばされたまま硬くなるという状態に。1日の生活の中で10時間以上も硬くなった状態でいた筋肉は、寝る際にほどくことはとても難しい。緊張状態が続くことにより、睡眠の質にも影響してくるのです。
ストレートネックは、首だけで起こるものではなく、多くの場合は反り腰・巻き肩など全身の不良姿勢も併せて出てきています。そのため、どこからアプローチしたらいいの?!と迷ってしまうかもしれませんが、「睡眠の質」に特化してアドバイスするのだとしたら、首~背中のポジションを整えて呼吸という自律神経にアプローチしていくことをオススメします。
伸ばされて縮こまった筋肉を、逆に縮めることで元に戻していくというアプローチです。硬くて動きが悪くなったジッパーを開くとき、開けようとするだけなく一回逆に閉じてみるも行いますよね。それと同じようなイメージです。緩めたいから一度縮ませる、というわけです。
1)仰向けに寝て膝を立てる
2)小さい前ならえを作り、指先は天井方向、肘は床に起き脇を締めます
3)肘と後頭部で床を押し、背中を床から持ち上げ胸を天井方向に引き上げます(息を吐きながら)
4)息を吸いながらゆっくり床に折り、吐きながら持ち上げるを呼吸に合わせてゆっくり行いましょう
腰を反らないように注意しながら、特に後頭部で床を押すようにすると、背面の筋肉が縮み、床に降りた時に緩むという作用が働きます。力を入れすぎて喉元が締まる感じがする、息が苦しい、と感じる場合は大きく胸を持ち上げなくてもOK!
1~2cm程度、背中が床から離れれば十分です。無理せずやさしく行ってみてください。
伊藤香奈
股関節ヨガインストラクター。会社員歴20年の長年の座り仕事&長時間通勤で、股関節と腰の痛みに悩まされる。解剖学とヨガ・ストレッチ・筋膜リリース・骨格調整などを学び自らの痛みを克服した経験をもとに、オリジナルメソッド「股関節ヨガ」を考案。「立つ・歩く・家事をする・仕事をする」といった日常の動きが楽になるほか、股関節が整うことで、美脚・美尻・むくみ解消・ボディメイクの効果や便秘解消といった女性に嬉しい効果もあると人気が広まっている。
2025-10-30T12:09:14Z