「実は骨粗鬆症予防に牛乳は間違い?」健康な骨のために本当にお勧めしたい食べ物を管理栄養士が解説

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは骨量(骨密度)が減る、または骨の質が低下することで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気を言います。今現在、骨折や腰・背中の痛みがなくても、骨が弱っていると骨粗鬆症と診断されます。骨は古い骨を壊す作業と新しい骨を作る作業の両方が繰り返されています。この作業は、加齢や女性ホルモンの減少、カルシウム不足などでバランスが崩れてしまい、失われた骨量を十分に回復することができなくなると骨量減少が始まります。

骨粗鬆症による骨折は、骨折をすればするほど次の骨折が起こりやすくなります。時には、背骨のバランスが崩れ背中が丸くなることで、胃食道逆流現象などの消化器疾患や、呼吸器機能障害、心臓の機能低下などの原因となることがあります。特に大腿骨(足のつけ根)を骨折すると入院や安静の時間が長く、運動機能や内臓機能が低下して寝たきりにつながりやすく、寝たきりから認知症が進行する可能性もあります。

日本人は牛乳の栄養成分を吸収できない!?

牛乳を飲むと下痢やお腹が痛くなった経験がある方は、牛乳中の乳糖を消化する酵素が少ない、「乳糖不耐症」である可能性が高いです。「乳糖不耐症」に該当する人は、白人よりも東洋人に多いといわれています。また日本人に限らず、離乳期を過ぎると乳糖を分解する能力は低下しますが、一度に大量の乳糖を摂取しない限り、成人でも乳糖は分解できるため、しっかりと体内に牛乳の栄養成分は吸収されます。

骨の形成を助ける食べ物

きのこ

椎茸や木耳などのきのこ類に多く含まれるビタミンDは、小腸の中でカルシウムの吸収を促し、新しい骨を作るのに役立ちます。また、ビタミンDは紫外線にあたることでも生成されるため、適度に日光を浴びることも大切です。きのこのほかにも、うなぎ・しらす干し・いわし・鮭・サンマなど魚介類にビタミンKが多く含まれます。

納豆

納豆に多く含まれるビタミンKは、骨の質を高めるコラーゲンの増加や、古い骨を壊しすぎるのを抑制します。納豆のほかにも、ひじきやわかめなどの海藻類やブロッコリー・キャベツ・小松菜などの緑黄色野菜にビタミンKが多く含まれます。

チーズ

チーズや牛乳などの乳製品に多く含まれるカルシウムには、古い骨を壊しすぎるのを抑制し新しい骨を作る手助けを行います。また、カルシウムは人の体に存在するミネラルで最も多く、そのおおよそ99%が骨と歯に存在し、残りの1%は血液などに含まれています。カルシウムの推奨量は成人の男性で750~800㎎、女性で650㎎となっていますが、現在ほぼすべての世代でカルシウムが不足しています。特に20代、30代は不足しがちです。乳製品のほかにもカルシウムが多く含まれる食品には、豆腐・ひじき・小松菜などがあります。

まとめ

「骨粗鬆症」を予防するための食べ物について紹介しました。この他にも、極端な食事制限や加工食品・食塩・カフェイン・アルコールの摂りすぎは古い骨を壊しすぎたり、新しい骨を作る妨げになるため、適度な摂取を心がけましょう。また、水泳やウォーキングなど適度な運動は骨を強くする効果があるので、紹介した食べ物と一緒にぜひ生活に取り入れて、骨を強くしていきましょう。

 

参考文献

公益財団 骨粗鬆症財団 

日本人の栄養摂取基準2025

国民健康・栄養調査2025

栄養花子

昭和生まれの管理栄養士栄養花子です。家事と仕事を両立しながら生活しつつ、年齢が上がるに連れて体の変化を感じ、改善するため自身の生活でも栄養改善を実施。より心地よい生活にするために日々の新しい栄養情報の収集を欠かさない栄養マニア。

2025-06-30T10:55:11Z