子どもに怒ってしまう自分が嫌になる…【子どもとの親子関係を整える】アーユルヴェーダ的メンタルケア

アーユルヴェーダで考える「母親の心の状態」

アーユルヴェーダでは、心身の状態を左右する体質のエネルギーとして、ヴァータ(風)・ピッタ(火)・カファ(地)という三つのドーシャがあります。

それぞれの特徴をまとめると

・ヴァータが高まっていると

心は不安定になり、子どもの些細な行動にも敏感に反応してしまいます。

・ピッタが高まっていると

完璧さを追い求め、「こうあるべき」や「こうしなきゃ」という思考に支配され、そうならなかったときには叱りすぎてしまう傾向があります。

・カファが高まっていると

心が重くなり、子どもに依存したり、自分の思い通りにならないことで落ち込みやすくなります。

つまり、子どもとの関係に悩むとき、多くの場合は「子どもが原因」よりも、自分自身のドーシャバランスの乱れが影響しているのです。

子どもとの関係を穏やかにするために

1.自分の心と身体を整える

母親として穏やかな状態を保つには、まず自分自身をケアすることが重要です。身体を整えることが心を整える第一歩とされています。

【ヴァータを整える】

・温かい飲み物や食べ物で身体を温める、オイルマッサージ、就寝前は静かさ時間を作る

特に、冷たいものや不規則な時間に食べる食事はヴァータを乱し、心を不安定にします。

【ピッタを整える】

・辛味や塩味・酸味の強い食材を控える、夜更かしをしない、冷ます作用のある食事

これらはピッタを増やす行為です。原因となるものがあれば避けることで、イライラを抑えることができます。

【カファを整える】

・朝の散歩や軽い運動、温かいスパイスを使った食事、昼寝を避ける

重たい質を溜め込めこみやすい特徴があるため、循環を良くしておくことがポイントです。

【すべての体質の人に共通して】

・深呼吸や瞑想をして心身を落ち着かす

1日数分でも十分。呼吸に意識を向ける練習をすることで、日常で湧いてくる感情を客観的に捉え、心をコントロールすることができるようになっていきます。心を整える第一歩とされています。

2.子どもに対して「反応するのではなく、対応する」姿勢を持つ

私たちの心は、不安定だからこそ、即座に反応してしまう癖があります。それは子供に対してもそうです。これを知っておくと、自分が目の前に対して、「反応している」のか「対応しているのか」客観的に見つめられるかと思います。少しずつ対応ができるようになると、感情の渦に飲み込まれずに、子供に寛容な心で向き合うことができるようになります。

子どもが騒いだり、泣いたりすることは自然です。それを止めさせようとするよりも、自分のセルフケアの積み重ねで感情を整え、受け止められる状態を作っておくことで、子供に対応する姿勢を取ることができるようになっていきます。

 

母親がご機嫌でいることで、子どもを安心させる

子どもとの関係に悩むとき、つい「子どもを変えよう」と考えてしまいます。しかしアーユルヴェーダは、まず母親自身の心と身体を整えることを勧めているのです。

「自分のドーシャバランスを整える」「反応するのではなく、対応する」

「体質に合ったセルフケアを日常に取り入れる」

この3つを意識するだけでも、親子関係は少しずつ穏やかになるはずです。

母親が安心して心を保てると、子どもも安心して自分を表現できるようになります。

小さなセルフケアと意識の変化で、貴重で愛おしい子育て期間を、楽しんでいくきっかけになりますように。

 

永田舞美

ヨガ・アーユルヴェーダ講師金融営業職に没頭する中で、ヨガとアーユルヴェーダに出会う。10代から悩みが絶えず、自律神経の不調だらけの自分が好きになれずにいた時期が長かった。自分の本質を知り、身体と心の心地よさに意識を向けて日々生活するようになってから、本来の自分でイキイキと過ごせていることを実感。この経験から、現代の生活に生きるヨガとアーユルヴェーダを伝え、「本来の自分を取り戻し、心地よく過ごす」ことをテーマに2021年10月に独立。1年間で約200名にアーユルヴェーダを指導。ヨガフェスタ2021への出演や、ヨガモデルとしての実績もある。ヨガ&アーユルヴェーダ朝活コミュニティの運営、アーユルヴェーダ講座、ライフスタイルカウンセリングの他、全国各地でリトリートイベントを企画主催。

2025-11-01T12:08:51Z