キャベツには、水溶性と不溶性、両方の食物繊維がバランスよく含まれています。 水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、腸内フローラを整える働きがあります。不溶性食物繊維は腸のぜん動運動を促し、便のカサを増やして排便をスムーズにしてくれます。このダブルの働きで、便秘の予防・改善に役立ち、腸内環境を若々しく保つことができます。
キャベツには「ホスホリパーゼD(PLD)」という酵素が含まれており、リン脂質を分解して「ホスファチジン酸(PA)」を生成します。PAは体内で「リゾホスファチジン酸(LPA)」に変化し、腸の粘膜を修復したり、腸の動きを活性化したりする働きがあります。さらに、キャベツに含まれる「ビタミンU(キャベジン)」は、ストレスや食生活の乱れで傷ついた腸の粘膜をやさしくケアして、胃腸全体をサポートしてくれる心強い味方です!
人の腸は、夜間に最も活発に働くといわれています。特に22時〜翌2時は、腸内の修復や老廃物の排出が進む「腸のゴールデンタイム」と呼ばれ、腸内の修復や老廃物の排出が進みます。このタイミングにキャベツを食べることで、腸内細菌の働きが促進され、「リゾホスファチジン酸(LPA)」の効果も最大限に発揮されます。さらにキャベツは低カロリーで食物繊維が豊富なため、満腹感を得やすく、食べすぎ防止や血糖値の急上昇を抑える働きもあり、脂肪の蓄積を防ぎ、太りにくい体づくりにもつながります。
PLD酵素は熱に弱く、70℃以上で失活してしまいます。そのため、キャベツは生で食べるのがベストです! さらに、千切りやペーストなど細かく刻むほど酵素が活性化され、腸内環境を整える力がアップします。
夕食の最初にキャベツを食べることで、血糖値の上昇をゆるやかにし、脂肪の蓄積を防ぎます。よく噛んで食べることで満腹感も得られやすく、自然と食べる量もセーブできます。
キムチやザワークラウト(キャベツの酢漬け)など、発酵キャベツを取り入れることで、乳酸菌と食物繊維のダブルパワーで腸内環境がさらに整います。
千切りキャベツにオリーブオイルやレモン汁をかけるだけでもOKですが、日頃の食事に取り入れやすいようにここでは、簡単なキャベツのレシピも紹介します。
【材料(1人分)】
キャベツ(千切り)…1/4玉
ゆで卵…1個
マヨネーズ…大さじ1
黒こしょう…少々
作り方
キャベツはできるだけ細く千切りにする。
ゆで卵を粗く刻み、マヨネーズと混ぜる。
キャベツと和えて、黒こしょうをふって完成!
★卵黄のリン脂質とキャベツのPLDが反応して、PA生成をサポート!
【材料(1人分)】
キャベツ(千切り)…1/4玉
キムチ…大さじ2
ツナ缶(水煮)…1/2缶
ごま油…小さじ1
白ごま…少々
醤油…小さじ1(お好みで)
作り方
キャベツをできるだけ細く千切りにする。
ボウルにキャベツ、キムチ、ツナを入れて軽く混ぜる。
ごま油と醤油を回しかけて、さらに混ぜる。
最後に白ごまをふりかけて完成!
★乳酸菌と食物繊維のダブルパワーで腸内環境が整う!
キャベツは、腸を若返らせる酵素や栄養素がたっぷり詰まった食材です。夜のゴールデンタイムに、生で細かく刻んだキャベツを、マヨネーズや発酵食品と一緒に食べることで、腸内環境が整い、便秘やぽっこりお腹もスッキリしていきます。ただし、マヨネーズやごま油はカロリーが高めなので、使いすぎには注意して、今夜から“夜キャベツ習慣”を始めてみませんか。
【参考文献】
腸内細菌叢と生物学的年齢
https://www.jsbmg.jp/members/pdf/BG47-1/47-1-4.pdf
抗胃腸障害機能の強化を目的としたキャベツの効果的な調理および 食べ合わせに関する研究
https://www.shokuken.or.jp/report/docs/029_019.pdf
「日本人の食事摂取基準」(2025年版)
日本食品標準成分表2020年版(八訂)
氷室えり
管理栄養士。病院での大量調理業務・栄養士業務経験後、もっと一人ひとりに寄り添った栄養ケアや「人が食べるとは生きていく上でどのようなことなのか」との自分の中での疑問追求のため、現在では保育園が併設されている特別養護老人ホームで献立作成や栄養マネジメント業務を日々行っている。最近では、最後まで美味しく食べられるための摂食・嚥下やその人らしく生きられるため食事ができることについて他職種とディスカッションし学びを深めている。
2025-12-01T10:09:05Z