声・体・心が若返る!音楽界のレジェンド、ロッド・スチュワート(80歳)が続ける3つの習慣

若々しさの鍵は「肺」にあり?シナトラ直伝のトレーニング法

歌手のロッド・スチュワート(80歳)がAARP(全米退職者協会) の会員誌「AARPマガジン」のインタビューで明かした若々しさの秘訣は、意外にも「水中トレーニング」だった。しかもそのやり方は、ただ泳ぐのではなく、プールの底に沈めたレンガを押しながら泳ぐという本格的なもの。呼吸を止めて行うこのトレーニングは、肺活量を鍛えるのに最適だそう。

実はこの方法、あの伝説の歌手フランク・シナトラから伝授されたものだという。シナトラは、喉に負担のかかるハスキーボイスを持ちながらも長年歌い続け、「声の力は肺の強さにかかっている」とロッド・スチュワートに助言したのだとか。その言葉を受けて、彼は水中での呼吸トレーニングを日常に取り入れるようになった。本人いわく、「プールの底にレンガを投げ入れて、それを端まで押していく。時にはやりたくない日もあるけれど、効果は抜群だ」と語っている。

「でも、そんなの特別な人だけじゃない?」と思った方、ご安心を。専門家たちによれば、肺の機能は誰でも日常的な運動で維持強化できるという。たとえば、英国ボイス・アソシエーションのレベッカ・モーズリー=モーガン博士は、年齢とともに呼吸機能は落ちるが、有酸素運動や呼吸トレーニングで改善できると話している。水中で息を止めるのが難しくても、ウォーキング中に呼吸を意識したり、軽いスクワットを行ったりするだけでも効果があるそうだ。また、ニューヨーク医科大学の音声生理学教授モニカ・マクヘンリー氏は、「息を長く持たせる力が、声を支える最大のポイント。肺を使ったトレーニングは、声の持久力に直接つながる」とコメントしている。

声が枯れたときの「沈黙のすすめ」

トレーニングだけではなく、ロッド・スチュワートは「声の休め方」も大切にしている「喉が枯れ始めたら、8時間は一切しゃべらない」と明かし、水分をたっぷり取り、人混みや騒がしいレストランは避けるなど、徹底したケアを行っているそうだ。私たちも、声が疲れてきたときは無理に話さず、1〜2時間の「声の沈黙」を意識してみるだけで、喉の回復につながる。とくに声をよく使う仕事の人にとっては、シンプルながら効果的なセルフケアといえるだろう。

日常の積み重ねが体をつくる

さらに驚かされるのが、ロッド・スチュワートが日々行っている100メートル走のトレーニングだ。自宅の敷地にある専用トラックで走り込み、「19秒で走れるようになった。今は17秒を目指している。80歳の世界記録だと思う」と語るなど、意欲は衰えることを知らない。「毎日動くことが何より大切だ」と語る彼。サッカーやランニング、水泳を無理なく組み合わせ、気分によって変えながら体力を維持しているとのこと。日常の中で、小さな“運動のきっかけ”を作ってみるのは素晴らしいことだ。運動でなくても、日々階段を使う、通勤ルートを少し遠回りする、歯磨き中にかかとの上げ下げをするなど、できることはたくさんある。

年齢を理由にしない生き方

ロッド・スチュワートは昨年、大規模なワールドツアーからは引退するものの、「音楽活動をやめるつもりは一切ない」と明言した。「好きなことを、好きなペースで、ずっと続けていきたい」。それが彼の信念だ。80歳の誕生日には家族や親族15人を招いて豪華ヨットをチャーターし、テーマ別の仮装パーティーを楽しんだとのこと。心も体も自身の楽曲名の通り、「フォーエバー・ヤング」なロッド・スチュワート。その姿からは、年齢にとらわれない前向きな生き方のヒントがたくさん見えてくる。若さとエネルギーの源は、特別な何かではなく、日々の小さな積み重ねだ。ロッド・スチュワートのように、自分に合った“呼吸”と“動き”を大切にしてみるだけで、私たちの毎日も少し軽やかに変わっていくかもしれない。

出典:

Rod Stewart’s unusual ‘brick into the pool’ workout helps keep him fit at 80

Aqua lungs: how Rod Stewart’s underwater swimming may help his singing

Rod Stewart's running track at home for 100m world record attempt - aged 80

山口華恵

翻訳者・ライター。大学卒業後、製薬会社やPR代理店勤務を経て10年間海外(ベルギー・ドイツ・アメリカ)で暮らす。現在は翻訳(仏英日)、ライフスタイルや海外セレブリティに関する記事を執筆するなど、フリーランスとして活動。趣味はヨガとインテリア。

2025-07-06T10:24:12Z