例えば、「普通、打ち上げには出席するよね」という言い方には、相手の意思を尊重しない強制的な響きがあります。これでは、言われた側は安心できません。「参加してくれると嬉しいけど、どうする? 都合が合わなければ無理しないでね」のように、まずは相手に聞く、相手の自由意思を脅かさないことがポイントです。「あの映画すごく面白かった!」と同伴者が言った時は、「確かに面白かったけど、少し長かったよな」と思ったのであれば、正直に自分の感想を話せばいいのです。別に相手に合わせておべんちゃらを言う必要はありません。ただし、最初のひと言は「否定」ではないほうがいいでしょう。
例えば、「あの映画すごく面白かった! 少し長かったけど、最後まで引き込まれたね」のように肯定、否定、肯定の順番で、「肯定サンドイッチ」をつくると一気に印象が変わります。最後に否定がくると、否定が強調されてしまうので、真ん中にもってくるのがコツです。
「仕事だいぶ進んだね」と仕事のパートナーが話した時は、「まだ先は長いよ」と思っていても、否定から入らずに「そうだね、だいぶ進んだね。この調子であと少し進めるとゴールが見えそうだね」というように、相手の言ったことを繰り返す(肯定する)+前向きな言い方でもっと頑張ることを伝えるのがいいでしょう。否定の言い方がクセになっている人は、肯定的な言い方をするクセをつけましょう。難しくはありません。「ダメ」ではなく「こうしよう」と言えばいいだけです。
例えば、あなたは、相手に何かをお願いをしたり説明したりする時は、どんな話し方をしますか?次のうち感じがいいのはどちらでしょうか?
「そこのドアは閉めないようにしてください」
「そこのドアは開けておいてもらえますか?」
「絶対遅れないでね」
「〇時に着くようにお願いします」
「この書類、こんなふうには書かないでください」
「この書類は、こういうふうに書いてください」
「走らないで!」
「歩いてくださいね」
誰しも後の言い方のほうが、感じがいいと思うでしょう。なぜなら、前の言い方は「指示」「命令」のニュアンスが強く出ているからです。言った本人は普通に頼んだつもりでも、言われた側が「なんで命令されなきゃいけないの?」とカチンときてしまうかもしれません。自由意思を脅かされるので、安心ができない話し方なのです。
公認心理師、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士、一般社団法人「日本メンタルアップ支援機構」代表理事。カウンセラーとしての長年の経験を活かし、人間関係をよくするコミュニケーション、ストレスマネージメント、ハラスメント対策を専門とする。カウンセリングは2万人超、講演・研修は内閣官房人事局をはじめ、大手企業、大学などで6万人を対象に行ってきた実績を元に、テレビ、ラジオ、新聞などのメディアでも活躍。『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)は51万部のベストセラーとなった。他に『できる上司のZ世代をモンスターにしない言葉』(ビジネス社)、『「かまってちゃん」社員の上手なかまい方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。メディア出演は『世界一受けたい授業』(日本テレビ)、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)など多数。
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
2026-06-02T10:54:12Z