アーユルヴェーダでは、私たちの身体と心は「ドーシャ」と呼ばれる3つのエネルギーによって成り立っていると考えます。 そのひとつ、「ヴァータ」は風と空の要素を持ち、"動き"や"冷たさ"、"乾燥"といった性質を持つエネルギーです。
生理中は、このヴァータが増えやすい時期とされ、これらのような不調が出やすくなります。
・手足の冷えや腰の重さ
・不安感、焦り、感情のゆらぎ
・腹痛や腰痛など身体が痛む
・消化力の低下、便秘や食欲のムラ
このように、心身ともに"ゆらぎやすくなる"のが生理中。 そのため、アーユルヴェーダでは「いつも通りに頑張る」のではなく、「ゆるめる」ことを大切にしています。
多くの人にとって、生理中も通常通りのお仕事が求められるのが現実かと思います。 だからこそ、無理なく取り入れられるケアが必要です。ここから、デスクワーク中心の方にもおすすめのアーユルヴェーダ的セルフケアをご紹介します。
身体の内側を温めることでヴァータを整え、緊張をほぐします。 おすすめはこちらです。
・あたたかいスープや煮物 ・白湯やハーブティー ・お料理やドリンクに生姜を加える
冷たいものは避け、できるだけ温かく潤いのあるものを選びましょう。
アーユルヴェーダでは、生理中は“排出=デトックス”が自然に起きている時期です。 そのため、刺激(サウナ・長風呂・アルコール・断食など)は避けたほうが良いとされています。身体にとっての負担を減らすためにも、リラックス重視で過ごしましょう。
生理中は、気分がゆれやすく、人の言葉にも敏感になりがち。 そんなときは、深呼吸で感情を整える時間を取りましょう。
①4秒吸って8秒吐く深い呼吸を数回繰り返す
②お腹に手を当てて、自分の呼吸を感じる
たった数分でも、自律神経が整いおだやかさが戻ってきます。
生理中は「頑張りすぎないこと」がとても大切です。できるだけ予定を詰め込まず、普段よりもゆとりのあるスケジュールで過ごしてみましょう。 「今日はこれだけできたらOK」と決めて、いつもと同じように頭をたくさん使いすぎないこともポイントです。自分に優しく接することが、結果的に心と身体の回復につながります。
仕事を終えたあとに、今日一日を振り返って「今日の自分もよく頑張ったね」と声をかけてみてください。完璧じゃなくていい。ペースダウンしたっていい。そんな優しさが、自分自身を癒す最大のセルフケアになるのです。
毎月訪れる生理は、実は前月の過ごし方が翌月に症状として現れると言われています。生理中は、ただでさえ心も身体もセンシティブになりやすい時期。 そんな時にこそ、ペースダウンを許し、自分の『心地よさ・違和感』に素直になってみることが大切です。
アーユルヴェーダが教えてくれるのは、「がんばること」ではなく「自分を整えること」。
忙しい毎日の中でも、ほんの少し、自分の心と身体に寄り添う時間を作ってみてください。 それが、長くしなやかに働き続けるための、土台に繋がっていきます。
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永田舞美
ヨガ・アーユルヴェーダ講師金融営業職に没頭する中で、ヨガとアーユルヴェーダに出会う。10代から悩みが絶えず、自律神経の不調だらけの自分が好きになれずにいた時期が長かった。自分の本質を知り、身体と心の心地よさに意識を向けて日々生活するようになってから、本来の自分でイキイキと過ごせていることを実感。この経験から、現代の生活に生きるヨガとアーユルヴェーダを伝え、「本来の自分を取り戻し、心地よく過ごす」ことをテーマに2021年10月に独立。1年間で約200名にアーユルヴェーダを指導。ヨガフェスタ2021への出演や、ヨガモデルとしての実績もある。ヨガ&アーユルヴェーダ朝活コミュニティの運営、アーユルヴェーダ講座、ライフスタイルカウンセリングの他、全国各地でリトリートイベントを企画主催。
2025-07-05T08:09:03Z