更年期に差し掛かると、女性の体と心にさまざまな変化が訪れます。ホルモンバランスの乱れからくる不調や気分の落ち込み、そして体力や肌の変化など、これらは女性自身にとって非常に大きなストレスとなります。しかし、そんな状況を夫が理解してくれない、もしくは気づいてさえいない場合、さらに孤独感や苛立ちが募ることもあります。更にこの時期、体調が悪いのに年末年始を3食昼寝つきで提供することでイライラがMAXになっている女性も多くおられます。そんな女性たちが自身の状況をパートナーに理解してもらうために、パートナーに対して、何ができるでしょうか?考えてみました。
まず第一に、自分自身が更年期の影響について正しく理解することが大切です。更年期は一般的に45—55歳頃に訪れますが、個人差があります。ホルモンバランスが大きく変化することで、以下のような症状が現れることがあります。
ホットフラッシュ(急な発汗や体温の上昇)
不眠や寝つきの悪さ
イライラや不安感
集中力の低下
骨密度の低下や関節の痛み
これらの症状は一見すると“気の持ちよう”のように思われがちですが、実際には身体的な変化が原因です。この事実をまず自分で受け入れることが、夫に説明する際の第一歩となります。
夫に更年期について理解してもらうには、適切なコミュニケーションが必要です。以下のポイントを意識して、話し合いの準備を進めましょう。
自分のつらさを訴えたい気持ちは分かりますが、感情的にぶつかると逆効果になることがあります。辛い時に訴えるよりは、少し症状が落ち着いている時に伝えるのがおススメです。
どのような症状があるのか、日常生活でどんな影響が出ているのか、具体的に説明することで理解が深まります。
更年期について説明した本や信頼できるウェブサイトの記事などを参考に、一緒に情報を共有するのも良い方法です。
夫に更年期の話をする際、タイミングと環境が重要です。
仕事や家事で忙しいときに話を切り出すと、十分に話し合えない可能性があります。リラックスしている時間を選びましょう。
子どもがいる場合、寝静まった後や外出先で静かな場所を選びましょう。
最初から全てを理解してもらおうとせず、少しずつ情報を伝える方が効果的です。一度言ったから理解してもらえる、という理想を持つと後でがっかりすることがほとんどです。
話し合いでは、夫が共感しやすいような伝え方を心がけましょう。
例えば、「最近、体がだるくてつらいの」と具体的な症状を話すことで、夫も状況をイメージしやすくなります。
夫が体調を崩したり、ストレスを感じたときのエピソードを引き合いに出して、「あの時のような感じ」と説明するのも有効です。
理解を押し付けるのではなく、「これを手伝ってもらえると助かる」と具体的なお願いをすることで、夫も行動に移しやすくなります。
夫に理解を求めるのは重要ですが、それ以上に自分自身の心身のケアが大切です。
軽い運動や趣味を楽しむことで、ストレスを軽減できます。
同じ更年期を経験している友人に悩みを共有することで、孤独感が和らぎます。
必要に応じて、心理カウンセラーや更年期専門の医師に相談しましょう。
更年期をきっかけに、夫婦の絆を再確認することもできます。夫婦の時間を意識的に作り、お互いに感謝の気持ちを伝え合うことが大切です。
例えば、映画を観る、散歩をするなど、日常から少し離れた時間を共有しましょう。
小さなことでも「ありがとう」と伝えることで、夫も応じやすくなります。
少しでも自分の体調が良くて冷静に話ができる時間を見つけて伝えること、「この人、この言い方でも通じないのか!?」とむしろ面白がって何度か色々チャレンジするくらいの気持ちでいた方が、更年期そのものも楽に感じるようになります。
高本玲代
フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプログラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。
2025-01-31T10:05:59Z