柔軟性(Flexibility)とは、関節の可動域を広げることで、筋肉や腱を柔らかくし、関節をスムーズに動かせるようにする能力です。ストレッチなどが代表的なトレーニング方法です。一方、モビリティ(Mobility)とは、関節の可動域を最大限に活かし、動きをコントロールする能力です。柔軟性によって得られた可動域を、実際の動きの中で、力強く、スムーズに、そして効率的に使えるようにする能力と言えます
モビリティエクササイズとは一般的に、関節の可動域を広げたり、可動性をアップし、筋肉の柔軟性を高めるための運動です。これにより、身体をスムーズに動かせるようにし、日常生活やスポーツのパフォーマンス向上に役立ちます。さらに、単に体を柔らかくするだけでなく、関節を動かすための筋肉のコントロール能力を高めることを目的としているため、身体が柔らかければできるとか、筋力があればできるというものではないというのも面白いところ。
日頃から運動しているアスリートより、子どもの方が上手に行えることもしばしば。運動が苦手という方にも柔軟性も筋力もいらないエクササイズとしてオススメです。
モビリティ(Mobility)という言葉と一緒によく使われるのが、スタビリティ(Stability)という言葉。モビリティとは「可動性」。スタビリティとは「安定性」を意味します。どちらも身体の関節の機能を表す言葉ですが、逆の意味を持ちつつ、働きとしてはお互いにサポートしあう関係です。
モビリティは関節がスムーズに動く範囲のことで、関節の柔軟性や可動域を指します。例えば、肩関節や股関節のように、大きく動く関節がモビリティ関節に該当します。モビリティが高いと、体の動きが滑らかになり、パフォーマンス向上や怪我の予防につながります。
スタビリティは関節を安定させ、動きを制御する能力のことで、体幹や関節を支え、動きを安定させる役割を担っています。例えば、腰椎や膝関節のように、安定を保つ必要がある関節がスタビリティ関節に該当します。スタビリティが高いと、体の軸が安定し、怪我のリスクを減らすことができます。
体を自由に動かしていくために、筋力や筋肉柔軟性ばかりにフォーカスしがちですが、実は関節の可動性にフォーカスするエクササイズも増えてきました。今回は、股関節のモビリティエクササイズにチャレンジしてみましょう。
<やり方>
1)右側の体側を下にして横向きに寝る
2)左膝を床につき、足裏を天助方向に向け、足裏にヨガブロックを乗せる。ヨガブロックがなければティッシュの箱などでもOK。落ちても壊れない&痛くないもので行いましょう
3)ヨガブロックを落とさないようにしながら、膝を床から持ち上げ、膝を自分の方にクルっと返し、ヨガブロックを天井方向に持ち上げる
4)さらにヨガブロックを落とさないように元の位置まで戻す
▼インストラクターの動きを見てみよう!▼
伊藤香奈
股関節ヨガインストラクター。会社員歴20年の長年の座り仕事&長時間通勤で、股関節と腰の痛みに悩まされる。解剖学とヨガ・ストレッチ・筋膜リリース・骨格調整などを学び自らの痛みを克服した経験をもとに、オリジナルメソッド「股関節ヨガ」を考案。「立つ・歩く・家事をする・仕事をする」といった日常の動きが楽になるほか、股関節が整うことで、美脚・美尻・むくみ解消・ボディメイクの効果や便秘解消といった女性に嬉しい効果もあると人気が広まっている。
2025-07-05T10:09:02Z