もう我慢ゼロ!“基礎代謝”を味方にする〈ラク痩せ習慣〉ポイントは?【管理栄養士が解説】

まずは減量のゴールを決める

まずは、いつまでに何キロ痩せたいのか”具体的な目標を決めましょう。「できるかも」と思える目標で大丈夫です。

「痩せたい」という目標だけでダイエットを始めると、ゴールの見えないダイエット生活が続きます。自然と我慢を続ける生活になってしまい、モチベーションを保つことが難しくなります。

減量目標は小刻みに

「1年後までに5kg痩せる」とゴールを決めたら、逆算して半年で-2.5kg、3か月で-1.3kg、1か月-0.5kgと小刻みに目標を立てるのがおすすめです。

なんとなく「5kg痩せたい」だけでは途中で挫折してしまいそうでも「1か月で-0.5kg」はなんだかできそうな気がしてきませんか。

短期集中ダイエットの落とし穴

なかには「5kgくらいすぐに痩せられる」と短期集中で達成する方もいます。すぐに目に見える体型の変化がわかり嬉しくなる一方で、厳しい食事制限や運動は身体への負担やバーンアウト(燃え尽き)に繋がります。短期集中で痩せた状態を維持するのは容易ではなく、リバウンドしないよう我慢する生活が続くかもしれません。

基礎代謝を味方にする

基礎代謝とは、呼吸や体温調節など生命を維持するために最低限消費されるエネルギーのことです。1日の消費エネルギーの約60〜70%を占め、就寝中も消費されます。基礎代謝量は筋肉量や年齢、生活習慣に影響を受け、とくに筋肉量が多いほど基礎代謝も高くなります。

そのため、極端な食事制限で筋肉が落ちると基礎代謝も低下し、かえって太りやすい体になります。短期集中ダイエットがリバウンドしやすい要因の1つです。

毎食たんぱく質を取り入れる

食べたいものを我慢せず痩せるためには、基礎代謝を落とさないことが欠かせません。

食事では魚・肉・大豆製品・卵などのたんぱく源を毎食取り入れましょう。たんぱく質は筋肉の材料になるだけでなく、食べた後の代謝増加率が脂質や糖質よりも高いです。

筋肉を保つには、たんぱく質を食べるだけでなく軽い運動も合わせるとさらに効果的です。

立つ時間を増やす

”運動”と聞くとなかなか始められない場合は、立つ時間を増やすことから始めましょう。寝転がっているよりも1.8倍の身体活動量になります。

我慢を感じにくい脂質制限を取り入れる

野菜やきのこ、海藻類はダイエットの強い味方です。食事に取り入れることで自然と噛む回数が増え、満腹感の持続に繋がり体重増加を防ぎます。

ただし、野菜が苦手な方には食べにくく、人によっては飽きてしまう場合もあります。そこで試していただきたいのが頑張らない脂質制限です。方法は、豚肉は脂肪の少ない部位を選び、鶏肉は皮を除くだけです。見た目の量や食べ応えを大きく変えずに、エネルギー量を減らすことができます。

エネルギー・脂質(100gあたり)

・豚もも(赤身):119kcal 脂質3.6g

・豚バラ:366kcal 脂質35.4g

・鶏むね(皮つき/皮なし):133kcal/105kcal 脂質5.9g/1.9g

鶏もも(皮つき/皮なし):190kcal/113kcal 脂質14.2g/5g

減量のために、揚げ物やお菓子を減らすことも効果的ですが、「我慢している」と感じてしまうときは、まずは取り入れやすい脂質制限を試してみましょう。

まとめ

「食べるのは我慢」から「食べてもいい」と思えるようになると、気持ちが楽になります。毎日のちょっとした工夫が、長く続けられるダイエットに繋がります。少しずつ取り入れてみてくださいね。

 

【参考】

「日本人の食事摂取基準2025」

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

「運動生理学 第2版」(化学同人)

「肥満症診療ガイドライン2022」(日本肥満学会・ライフサイエンス出版)medicareguide2022_08.pdf

西迫祐希

幼少期から趣味は「食べること」。思春期に肥満で悩んだことをきっかけに管理栄養士を志す。急性期病院で管理栄養士、日本糖尿病療養指導士として栄養管理や栄養食事指導、糖尿病透析予防指導、栄養サポートチーム(NST)専任などを経験。独立後は「病気になる人を減らしたい」という想いで、一次予防から三次予防まで対応できる管理栄養士を目指している。現在はオンライン・対面での栄養指導や給食運営のサポート、レシピ監修、ライターなど幅広い分野で活動している。

2025-10-02T10:09:02Z