ナスには、ポリフェノールの一種であるアントシアニン系の色素成分ナスニンが含まれています。活性酸素の働きを抑えてがんを予防したり、血管をきれいにして動脈硬化や高血圧を予防したりする働きがあります。また、ブルーベリーと同様、眼精疲労を回復される効果が期待されています。ミネラルの中ではカリウムが比較的が多く、むくみ改善や余分なナトリウムを体外に排出する働きを促進します。
90%以上が水分で、体の熱を内側から冷ます作用があります。そのため、暑い夏に体を冷やすにはもってこいの野菜のひとつです。しかし、もともと体温が低かったり、手足が冷えやすかったりと、冷え性による不調を抱えている人にとっては注意したい食材になってしまうのです。
体を冷やす作用のあるナスは、同じように体の熱を冷ます食材を組み合わせることによって、その効果が倍増してしまいます。
●夏野菜【トマト、 キュウリ、スイカ】
夏に旬を迎えるこれらの食材は、冷たい温度で食べることが多く、胃腸が弱い冷え性の人が一度に摂りすぎると下痢の原因になってしまう可能性があります。
●豆腐
大豆製品の中でも、豆腐は体を冷やしやすいといわれています。夏場にさっぱりと食べられる冷ややっこですが、冷え性の人には体が冷えすぎてしまうので、逆に夏バテになってしまうことも。
●緑茶
緑茶は紅茶やコーヒー、ほうじ茶などよりも体を冷やす作用があります。とくに冷たい緑茶を一気に飲むとその作用は強くなるので注意が必要です。
では、ナスの冷える作用を緩和するためには、どうすればよいのでしょうか?
ナスは加熱することで、体を冷ます効果を緩和することができます。冷えすぎが心配な人は、漬物や和え物ではなく、炒め物や煮物にして温かいうちに食べるようにしましょう。
体を温める食材を組み合わせることで、ナスの冷える作用を緩和できます。にんにく、 生姜、ネギ、唐辛子、かぼちゃ、ニラ、ほうれん草、レンコン、ごぼう、紫蘇、サケ、カツオ、サバ、牛肉、豚肉、鶏肉、納豆、味噌、黒糖などと組み合わせて食べるようにしましょう。
冷え性の人が注意したいナスの食べ合わせについて解説しました。 冷えすぎには注意が必要ですが、ナスは他の野菜では味わえない色味と風味が特徴でもあります。過度に控える必要もないので、ぜひ今年の夏も上手に活用していきましょう。
《参考文献》
野菜の栄養素まるごと便利帳/監修・吉田企世子
ナス|とれたて大百科|食や農を学ぶ/JA
《ライター》やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。
NS Labo(栄養サポート研究所)
全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事業を行っている。また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢献活動を行っている。
2025-07-03T11:24:43Z