【おかゆと卵かけご飯】熱が出たときに効くのはどっち?管理栄養士が解説

なぜ風邪をひくと熱が出る?

風邪をひくと咳や鼻水、のどの痛みなどさまざまな症状が現れますが、発熱もよくありますよね。ではなぜ風邪をひくと発熱するのでしょうか。

病気の原因になるウイルスや細菌が体内に入ると、体の中にいる免疫細胞が外敵の情報を全身に伝えたり、外敵と戦うため一斉に動き始めます。そこで情報を得た脳の視床下部という部分で、外敵が増殖しすぎないように全身の体温を上げる指令が出されるのです。同時に体を震えさせて熱を作り出し、血管を収縮させて作り出した熱を逃がさないようにすることで熱が高い状態になります。

熱が出るとすぐに解熱剤を飲みたくなりますが、発熱は体を守るための反応でもあります。発熱することで免疫細胞の動きがよくなり病原体と戦いやすくなるといわれていますが、高熱が3〜4日以上続くと体力を消耗してしまいさらに長引く場合もあるため、解熱剤を飲む際は医者の指示を仰ぎましょう。

熱が出たときにおすすめなのは「卵かけご飯」

風邪症状をよくするためには、消耗した体力を補い免疫力をアップさせることが大切です。

病気になった時に食べるものといえば、おかゆをイメージする方は多いのではないでしょうか。おかゆは体を温めてくれますし消化にもよいメニューですが、実はおかゆだけだと体を回復させるための栄養素が足りません。

そこで、免疫力をアップするたんぱく質やエネルギー代謝を助けるビタミンB群が含まれる卵をプラスした卵かけご飯を食べることで、体力が回復する力を養うことができます。手軽に作れて口当たりもよくするすると食べられるので、食欲がないときにもおすすめですよ。

生卵が心配な方は加熱して食べよう

卵かけごはんがおすすめといっても、病気の時に生卵を食べてもいいのか不安になる方もいるかもしれません。基本的には風邪をひいている時に生卵を食べても問題はありませんが、熱が出ている時は抵抗力が落ちているため食中毒になる可能性もあります。もし心配な場合は加熱して卵がゆにするのもおすすめです。

まとめ

今回は、熱が出たときにおかゆと卵かけご飯のどちらが体の回復力を高めるかをご紹介しました。卵には体を回復させてくれる良質なたんぱく質やエネルギー代謝を助けるビタミンB群が含まれているため、風邪をひいて体力が落ちているときにおすすめの食材です。とはいえ、食欲がない時は無理に食べる必要はありませんので、水分補給をしながらゆっくりと休むようにしてくださいね。

野口久美子

管理栄養士/調理師。大学卒業後、保育園栄養士と食品開発の仕事を経てフリーに転身。現在は子育てをしながらライターとしてレシピ紹介や栄養に関する分野でコラムを執筆している。

2025-03-12T10:08:06Z