大塚寧々、二度現地に着きながら引き返してきた長野県の「白駒池」に再び向かう 果たして今回は?

女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第75回は、夫婦で向かった長野県の「白駒池(しらこまいけ)」について。前回は二度に渡って現地まで行きながら引き返してきたエピソードを紹介したが、果たして今回は…。

【写真】大塚寧々さんが撮った「白駒池」の写真。『もののけ姫』のような世界。大学時代、写真学科で学んだだけあって見事なショット

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三度目の正直とよく言う。

今度こそ白駒池に行きたい! 白駒池の話を母にもして写真を見せたら、「綺麗ね~行ってみたい!」と言った。最短コースだと駐車場から池まで歩いて15分くらいなので、母も大丈夫かなと思い(難しかったら引き返せばいい)、夫と母と私で行く事にした。

朝早くに着いたので、今回はそんなに駐車場も混んでいなかった。標高2000メートルぐらいなので、5月なのに少し肌寒い。白駒池の歩道の入り口に行くと、ちょうどご高齢の女性が娘さんと一緒に杖をついて降りて来られた。

「こんにちは」と挨拶していると、彼女が「おいくつですか?」と母に尋ねた。母は元気そうに「86歳です!」と答えている。母も「おいくつですか?」と尋ねると「92歳です!」とおっしゃる。山歩きファッションも素敵で、すごくお元気で、お若くて、お美しい。こういうふうに年齢を重ねたいなと思った。さすがに、お嬢さんとお二人だけだったので、心配だったのか「途中で引き返してきました」とおっしゃっていた。確かに目の前の道はけっこうアップダウンがある。

ついに到着、目の前に広がるのは…

ゆっくり歩いていくと、苔が美しく、山の風が心地よい。五感が研ぎ澄まされていく感じがする。原生林と苔の世界は、神秘的で「もののけ姫」の世界に入り込んだようだ。景色も美しいので、ゆっくりゆっくり歩いた。日々の忙しい時間から解放されて、ゆっくり自然を感じて苔の森に身を置いていると、ものすごく落ち着く。母も時々休憩しながら、頑張って白駒池まで到着する事が出来た。

ゆっくり歩いたので30分以上かかったが、達成感で嬉しそうだ。疲れていないか聞くと、笑顔で「全然大丈夫!」と笑っている。水も透明で美しい。池というよりも湖みたいな感じだ。標高2000メートル以上の湖では日本最大らしい。

白駒荘で三人でソフトクリームを食べた。風が心地よく、空気も綺麗で、最高に美味しかった。今度白駒荘に泊まって早朝の風景や、夜、満点の星空をビール飲みながら見たら最高だろうなと思った。春の新緑も、夏の涼しい時も、紅葉の秋も訪れてみたい。次はぜひ白駒荘に泊まろう。

帰りもゆっくりゆっくり歩いた。白駒池から車で少し走った所に、レストハウスがあったので、昼食をここで取った。このレストハウスからの景色も素晴らしい。遠くに浅間山が見えて、景色が広がっている。雄大だ。私と母は山菜蕎麦を頼んだ。このお蕎麦が美味しかった。夫はソースカツ丼にしていた。

広がっている景色を見ながら食べた旬で新鮮な山菜の蕎麦は本当に美味しかった。

◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)

1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。

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