こんにちは。ライターの高木沙織です。
第2回目の『発酵適齢期』、テーマは婦人科検診について。
女性特有の病気の有無―。これまでも頭の片隅にあったのだけれど、「自分の健康状態をきちんと知っておきたい」はっきりとした意思を持ってそう思ったのは、30代も終わりが見えてきた38歳のときでした。そんなわけで、話は1年と少し前にさかのぼります。
今から1年と少し前。30代最後の年・39歳を迎える前の私は、ひどく焦っていました。なにに焦っていたのかというと、もうオブラートに包まずはっきり言います。「妊娠・出産のタイムリミット」に、です。
一般的には、35歳以上での初めての出産を高齢出産というけれど、私はすでにその年齢プラス3歳(当時38歳)。年齢を重ねるごとに、少しずつ妊娠の確率が下がっていく。それだけでなく、妊娠したとしてもさまざまなリスクが高くなる。自分がそういう年齢なのだとわかっていても、1人では「じゃあ、今すぐに」というわけにもいきません。だからといって、そのためだけにパートナーを探すのも自分のなかではちょっと違うし、そもそもこのご時世だし。
いつ、なにが起こるかわからないコロナ禍で、まず守らないといけないのは1人の生活。収入を減らすわけにはいかない。貯金もなるべく切り崩したくない。その一心でがむしゃらに、頭痛や肩こり、肌荒れ、目の下のクマにも耐え、休みも取らず、お世辞にもキレイとは言い難い姿で仕事に心血を注いでいたある日。こんなことを言われました。
「仕事は順調そうだし、こうなるともう彼氏や旦那はいらないって感じだね」
私からすると、「え? どうなると?」です。目からうろこどころか、魚が1匹飛び出したかと思いました。だって、ぜんっぜん…そんなことはないし、考えたこともなかった——。仕事は好きだけれど、プライベートも大事にしたい。だけど、まわりからはそんなふうに見えなかったのだと思います。こういうところのバランスの取りかたみたいなものが、いつまで経っても上手くならない。ところが、いつからかそれを利用するようになっていた自分がいるのも事実。「仕事に生きる人」なら、心の内にある妊娠や出産に対する焦りを隠すことができるから。
これから子どもを産むのか。それとも産まないのか。
考えたところで、どちらとも決めることができません。それなのに、体のタイムリミットが刻一刻と近づいてきます。焦燥感は募るばかり。
ちょうどその頃、2年に一度は受診していた子宮頸がん検診をしばらく受けていなかったことに気づきます。もうすぐ39歳。ここで、しっかりと今の自分の健康状態を知っておく必要がある——。というか、向き合わなければいけない。そこで、予約をしたのが「ブライダルチェック」でした。
「婦人科検診を受けよう」——そう思って、何件かの婦人科のウェブサイトを見てまわった結果。基本のレディースドックに含まれる問診や内診、子宮頸がん検診(細胞診)、超音波エコー検査は絶対に受けたい。せっかくだからまとめて性感染症の検査や風疹、麻疹の抗体検査、肝機能、腎機能、コレステロール、血糖値、甲状腺の検査も受けたい。
希望する検査がまるっと含まれているのが、「ブライダルチェック」だったのです。「ブライダルチェック」=結婚を前にした女性のためのトータルチェックのイメージ。もちろん、私のなかでもその意味合いがないわけではないのだけれど、実際のところそういった予定がないわけだから…受けてもいいのかと敷居の高さを感じずにはいられません。
そんな迷いを断ち切ってくれたのが、あるウェブサイトに書かれていた言葉。「ブライダルチェックには、自分自身が健康であるかどうかという単純な検診の意味もある」に後押しされました。この言葉を見つけられなかったら、長いこと迷ったままだったかもしれません。
婦人科検診は、「わーい、検診楽しみっ」というものではないから、予約する前の勢いが大事だと思うんです。もし、「ブライダルチェック」という名称が違うものだったら、勢いをくじかれなかったかも。
それはさておき、このときは確か2021年11月初旬——。生理周期や仕事のスケジュール、クリニックの空き状況のすべてがマッチして予約が取れたのは、まさかの12月24日・クリスマスイヴ。39歳10日め。まあ、いいかと予約確定の表示をタップ。のちに聞いた話だけれど、クリスマスイブやクリスマス当日は、比較的予約が取りやすいそう。確かに、クリニックの待合室には人が少なく、名前を呼ばれるのも驚くほど早くて拍子抜けした記憶があります。
さらには、問診や検査にかかった時間も約40分と予想よりだいぶ短め。途中、採血管6本分の血液を採って休んだりもしたけれど、いざ受け始めてしまえばあっという間です。
もっとも懸念していたパートナーについての質問も一切されず(複数枚ある問診票のその部分をすべて空欄にしたから)、ホッと一息。ただ検査後の最後の問診で、肝に銘じなくてはならないお言葉をいただきました。
「もし、妊娠を希望されるのであれば、年齢のこともあるので不妊外来を受診することをおすすめします」
ここにきて、頭を鉄球で殴られたかのような衝撃でした。でもきっと、検査内容が検査内容なだけに、医師としてもこういう言葉を伝えなくてはならないんだろうな…と。兎にも角にも、こうして初めての「ブライダルチェック」が終了。かかった費用は約3万円と安いものではなかったけれど、感想としては受けてよかった。
検査を受けたことで、これからどうするのか——それを決められたわけではありません。ですが、自分の健康状態を知れたことは、「知らずに焦り・不安を感じていた」ときよりもはるかに気分が軽くなったように思えます。
高木沙織
ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。産前産後ヨガインストラクター資格、Core Power Yoga CPY®、筋膜リリースヨガインストラクター資格を保有。
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