まずは、周りの人の言動が気になる3つの原因について解説します。
周りの人の言動を気にしすぎる原因の1つは「他者に嫌われたくない」こと。
自分の意思と周りの人の意思がずれるとケンカになったり、嫌われたりするかもしれません。そんな事態にならないために、徹底して周りの人の言動をキャッチし、それに合わせてしまうのです。
周りの人の言動を気にしすぎる原因の2つ目は「過去のトラウマ」です。
例えば、過去にみんなの前で失敗をして、笑われたり、からかわれたりした体験があると、「二度とあんな思いはしたくない」と考えます。その結果、周りの人が自分のふるまいに対して、悪いことを言っていないかを過剰に気にするようになります。
周りの人の言動を気にしすぎる原因の3つ目は「完璧主義」です。
いつも「絶対に失敗しちゃダメだ」「100点じゃないとダメだ」と考えています。もちろん、周りの人からも高い評価を得なければ満足できません。万が一にも悪い評価をつけられはしないかと、いつも気にしています。
ここからは、周りの人の言動を気にしすぎない対処法を3つご紹介します。
周りの人の言動を気にしすぎる人は、「周りの人の言動に合わせられないと嫌われるに違いない」「油断していると笑われるに違いない」などネガティブな確信を抱いています。
しかし、もっと別の考え方もできるかもしれません。例えば、
「この程度のことで嫌われることはないだろう」
「嫌われたならそれまでの関係だったんだ」
「私が〇〇しても、××さんは笑わないだろう」
「笑われても一緒に笑えばいい」
などです。ほかにも色々な考え方ができるでしょう。
柔軟に考えることで「周りの人の言動を気にしなければ」という気持ちは少しずつ和らいでいきます。自分では考えられない人は、家族や友人に「あなたならどう考える?」と尋ねてみても良いかもしれません。
周りの人の言動を気にする人は、自分の選択に自信がなく、他者の選択に頼りがちです。
自分の選択に自信が持てるように、小さな成功体験を重ねましょう。
例えば、
・自分の食べたかったお菓子を買ってみる
・自分の行きたかった映画を観に行ってみる
・気になっていた喫茶店に入ってみる
・自分の好きなぬいぐるみを買ってみる
など、自分の意思を実現してみるのです。
自分の選択の結果、ポジティブな体験ができれば、少しずつ自分の選択に自信がつきます。その結果、周りの言動ばかりに振り回されなくなっていきます。
周りの人の言動を気にしすぎる人は、あえて失敗してみるのも1つの手。
例えば、次のような失敗です。
・周りの人の意見にあえて違う意見を言ってみる
・シャツのボタンをわざとつけ忘れてみる
・完璧ではない書類を提出してみる
わざと失敗しても、「思ったより笑われなかった」「完璧じゃなくても問題なかった」などの体験を重ねることで、「そこまで周りの言動を気にしすぎなくてもよかったんだ」と実感できます。
「いつもより周りの言動が気になる」という場合は、心身の調子を崩しかけている可能性があります。意識的に休息をとりましょう。周りの言動が気になりすぎて、日常生活も苦しい場合は、医療機関の受診をおすすめします。
佐藤セイ
公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。
2025-01-08T12:26:15Z